ネット印刷ってどうなの?そのメリットとデメリット
2017/02/23
おそらく10年前くらいから格安ネット印刷通販が普及して、印刷に対するハードルが非常に低いものになっています。価格を知れば、当然使いたくなる方も多いでしょう。僕も状況に応じて利用することもあります。今回はそのネット印刷を利用するにあたってのメリットとデメリット、注意点等を書いてみます。
ネット印刷利用のメリット
ネット印刷にはその特性を活かした利用上のメリットが多数あります。
価格
ネット印刷を利用するメリットは、まず第一に価格です。
通常の印刷会社さんに印刷をお願いする場合と比較して、条件次第では1/3以下に抑えることができます。なぜこのような低価格で提供できるのか、これは恐らく受発注管理をシステムで行い人の手を極力廃していることと、インターネットで全国から発注を得て、それをまとめて印刷することで異なる発注でもスケールメリットを発生させて価格を抑えています。このスケールメリットを出すため、一昔前は「納品一週間前入稿」などが条件(数を集めるため)でしたが、現在はこの期間も劇的に縮小され、会社によっては当日出荷も可能となっています。
手軽さ
ネット印刷の受発注システムは、かなり洗練されてきたと思います。過去の依頼から増刷や改版での印刷が簡単にできますし、そもそも過去の印刷の検索が便利です。また最近では深夜24時まで受け付けてくれる会社も増えていますし、深夜でも電話対応してくれるところもあります。
決済にクレジットカードが利用できるところも良い所ですし、法人の場合は掛け売りをしてくれるところもあります。
発送名義を変えてくれる会社も増えていますので、お客様(元請け)名義でクライアントの住所に直脳することも可能です。
以上のように本当に至れり尽くせりだと言えます。
ネット印刷利用のデメリット
もちろんデメリットもありますので、注意が必要です。
融通が利かない
最近はかなり解消されてきましたが、入稿した後に納期や部数を変更したい場合など融通が利かないことがありますので、そこを踏まえて注意して使いましょう。
ただ、深夜の電話サポート等も充実してきており、入稿直後であればかなりのことを対応していただけるようになっています。このような企業努力には頭がさがるばかりです。
品質を保とうとすると価格と手軽さのメリットが崩れる場合がある
ネット印刷の場合、最も気になるのは品質ではないでしょうか。
ただこれまでの経験上、ネット印刷を検討しているような案件では、高い品質を求める印刷が必要なケースはほとんど無いように思います。
それでもあえて品質を保とうとすると、価格面と手軽さというメリットを打ち消してしまう可能性があります。こういった場合は通常の、経験豊富な営業さんがいる印刷会社さんに依頼するほうがいいでしょう。
突如サービス内容や価格が改変されることがある
これも実際に何度かあったのですが、通常の案件はお客様に見積を提出し、デザインに関してOKを頂いた後で、入稿と決済をします。その際、見積を出した段階で存在したプランが無くなっていたり、価格が変動している場合があります。
こうなると見積の前提が崩れてしまうので、複数の会社で金額や納期を確認して、このプランが無くなったらこの会社のこのプランを利用する、といったことを予め想定しておくことが必要となります。
利用できるケースとするべきでないケース
ネット印刷は上記のようなメリットとデメリットが存在しますが、実現したい内容によっては利用する価値が非常に大きいのも事実ですので、条件が合う場合は積極的に使っていけばよいでしょう。
高い品質を求めるケースは利用しないほうがトラブルを避けられる
ネット印刷利用時は品質をシビアに求めないことが前提となります。前述しましたが、高い品質を求める場合は普通の印刷会社に依頼しましょう。
翌日の午前中まで、といった条件は無理だと思ったほうがよい
スピード面でも普通の印刷会社の方が優れている場合が多いです。付き合いの長い印刷会社さんだと、(輪転機を利用する印刷であれば)その日の夜入稿して翌日の朝には届けてくれたりします。これは宅配業者を利用することが前提のネット印刷では難しいですね。
50000部を超えるような大部数の場合は逆に高くなることも多い
新聞折込チラシなどのように大部数の印刷の場合、ネット印刷の方が高いケースが多くなります。ここも見積をとって部数と品質を比較して決定することが重要です。
小ロットの場合は圧倒的に価格優位性が発生する
ネット印刷はその特性から、小ロット印刷に非常に強くなっています。これは同じ条件で複数の案件を集め、同時に印刷することでスケールメリットを出しているからです。特に500部等のロット数では、普通の印刷会社さんの1/3程度の金額になることも珍しいことではありません。
長短を踏まえて上手に利用しましょう
他にも細かく見ていけば沢山の特徴があると思いますが、実際に過去に何度も利用してきた経験上、ケースバイケースで上手に使えば、弊社のような業者にとってもお客様にとっても、得られるメリットが非常に大きいと言えます。ですので、その特性を踏まえて、使える場面では積極的に利用していくのが良いでしょう。
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