スパルタ婚活塾の理論をビジネス指南書として活かす
2017/02/23
最近放送しているドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」の原作者であり、「夢をかなえるゾウ」の著者で人気ブログ「ウケる日記」を運営する作家・水野敬也氏。
そのドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」をきっかけに原作「スパルタ婚活塾」を読んで、既婚男性として多いに頷きました。
そしてさらに思ったのが、
「この本、結婚したい男も読んどけ」
ってことです。
実は「スパルタ婚活塾」の男性版である「LOVE理論」も読んだのですが、こっちは正直参考にならないかなと思いました。
それやったらマジで引くだろ
ってことがズラッと並んでいるんです。
ただし、堀北真希をゲットした山本耕史のように「やりきれば」、いや「やりきれるような男ならば」結婚できるよね、とも思いました。
さて話を元にもどして「スパルタ婚活塾」。
男も読んどけと書きましたが、実は
「この本の内容って仕事に活かせるんじゃないの?」
とも思ったんです。
今日は「なぜスパルタ婚活塾が仕事に活かせるのか」についてちょっと掘り下げて書いていきます。
「スパルタ婚活塾」は面白おかしく読めるコミュニケーション指南書
スパルタ婚活塾ってホントに面白いんです。
著者の水野敬也氏が名古屋出身(実際に名古屋弁がちょいちょい出てくる。わざとらしくない程度に。)ということで勝手に親近感を持っていることもあります。
しかし、とにかく毒舌。
でもそこに通底する人間愛みたいなものがあって、嫌味がない。
男女問わず、まずは購入して読まれることをお勧めします。読み物として非常に面白いです。
あ、「キレイな文章」とかは期待しないでください。もとはブログですからね。
さてこの本、僕は婚活だけではなくて、コミュニケーション全般の指南書だと思いました。
だからこそ世の結婚したい独身男性も読んどけって思ったわけです。
既婚男性的目線で見て婚活本として「確かにね〜」ってことも非常に多いんですけど、人が人の行動についてどう思うのか、といったところが面白おかしく書いてあるわけです。
もちろん中途半端に行動だけ切り取ってしまうと、かなり痛い人になる可能性を秘めているのは確かです。
しかし、その精神性というか根本の考え方みたいなところは、この世の中の人と人とのコミュニケーションにおいて非常に役立つのではないかと思うわけです。
仕事も婚活と同じ「人相手の活動」である
婚活って、やっぱり重いじゃないですか。
僕ら男は若い頃、年上の女性と付き合ってる場合
「結婚とか考えないとまずいじゃん?そろそろキツイよねー」
っていう会話を普通にします。
男なんて可能であれば一生自由でいたいんです。ほんとは。
もちろんそこには「金銭面も含めて、女性とはいつでもお付き合いできる」という自分勝手な条件がつきます。
そして、年齢を重ねた場合のこの条件に不安を持つので「年貢を納める(結婚する)」わけです。
だからこそ女性は上手に立ち回り、重くないように気を使い、しかし決めたいところでは決める必要があるという、非常に高度なコミュニケーションを求められる活動です。
女性目線で見れば、基本的には「結婚したくない男性を如何に攻略するか」というゲームです。
また、男性から見れば「自分より魅力的な男性を探している女性を如何に攻略するか」ゲームでしょう。
婚活には圧倒的に人対人のコミュニケーションスキルが求められるし、それだけでなく「若さ」「収入」「両親」などの様々な条件が入り混じって自分を不利にしたり有利にしたりします。
こういうことって仕事にも当てはまるところが多いんですよね。
例えばある企業の仕事を何とか取りたいと考えたとします。
相手企業は有名ではないものの、業界内では評価も高くそれなりに利益も出ているとの話も聞いていたとします。
こういった「儲かっている企業」と取引することは、ビジネスを営む上で非常に重要な事だといえますが、運良くツテを辿って相手企業の担当者と会えた時に、どうやって自分との取引を始めてもらうのか。
これって婚活とほぼ同じことですよね。
相手企業は「よりよい取引相手」を求めていることは間違いありません。
もちろん取引企業の選定にあたって、金額面は大きなウェイトを占めるのでしょうし、何かあった時のことを考えて企業規模を気にする場合もあるでしょう。
また、担当者が気に入ったから、などと言った理由で仕事をゲットできることもあります。
要は「いかに信頼してもらうかゲーム」であると考えます。
もちろんその信頼とは「自社の利益に繋がるであろう」信頼です。
担当者レベルで言えば「自分の社内での評価を上げてくれる」ことが重要なのであり、そのための業績貢献でもあるのです。
こうして考えていくと、出会った企業担当者に「私と取引すると、あなたの人生が良くなりますよ」と説明し信頼してもらうことが、営業活動の側面であることが理解して頂けると思います。
企業間取引ではあるものの結局は「人と人」のコミュニケーションの上に成り立っていて、担当者に信頼してもらうために如何に自分を魅力的に見せるかということが重要になってくるのです。
僕はBtoBビジネスで起業して3期目ですが、順調に業績を伸ばしています。
この間実は典型的な押しかけ営業は一度もしたことがありません。
もちろんそういった押しかけ営業も、サービスを知るひとつの機会になることは理解していますが、ちょっと効率が悪い。
それよりもっと大切にしていることは
仕事で関わった人に評価してもらえるようにすること。
そうすれば勝手にお客様が売り込んでくれて、勝手に仕事が舞い込んでくるようになります。
その舞い込んできた仕事の担当者に喜んでもらえる(相手の社内評価が高まる)ように仕事をすれば、きっと売上も伸び、紹介も増えていくでしょう。
そう、仕事は仕事が呼んでくれるのです。
そのきっかけとして、「スパルタ婚活塾」に書いてあるコミュニケーション理論からヒントを得て相手企業の担当者と潤滑な関係を築き、まずは気に入ってもらうことが出来れば、その後の取引に非常に有利に働くことは間違いないでしょう。
スパルタ婚活塾 → スパルタ仕事塾に置き換えて読む
というわけで、まずは読み物としてこの「スパルタ婚活塾」を読んでみましょう。
あなたが男性であっても女性であっても、おそらくかなり楽しく読めるのではないかと思います。
一度読みきったらしばらく期間を空けて、再度読んでみましょう。
もちろん飛ばし読みで構わないのですが、この二度目に読むときに「これ仕事だったらこう活かせるかな?」という感じで置き換えて読んでみましょう。
もちろんそれぞれの皆さんが置かれた状況によってその解釈の仕方は変わってくると思いますが、おそらく何らかのヒントとなり得ることがあるのではないでしょうか。
そういう僕もいくつかの文章からヒントをもらったので、少しそれらについて説明してきます。
仮氏理論
スパルタ婚活塾での「仮氏理論」とは、とりあえず仮の彼氏を作って心に余裕を持たせることで、落ち着いてよりレベルの高い相手を手に入れることを目的としています。
これはビジネスの世界でも同様のことが言えます。
僕が会社を立ち上げで初月は、それまで余り請けて来なかった小さい仕事でも進んで請けて、徹夜でこなしたりしていました。
これが非常に大きかったのです。
実はこの「なんでもいいから売上がある状態」が、その後の自信につながって、その自信がさらなる仕事を呼んでくれるようになったのです。
こうなると、もう小さくて割の良くない仕事は請けなくても良くなり、好循環でビジネスが回るようになってきます。
とにかくベースとなる売上をつくることが重要です。
ツッコミマスターになれ
本では合コンにおいて「ツッコミマスターになれ」と説いています。
ツッコミマスターになることで、相手から気持ちがられずにコミュニケーションが取れるというものです。
これもビジネスでの商談に活かすことができます。
これから何とか仕事をもらいたいと考えている企業の担当者との商談。
この際にツッコミマスターとなれれば、他社の営業を蹴落として仕事を得られる可能性が高まるでしょう。
やはり会話とはキャッチボールです。
中学時代野球部でピッチャーだった僕は、部活の練習中のキャッチボールで良く変化球を投げていました。
相手も面白くなって変化球で返してくれたりします。
いくらいいピッチャーでもストライクゾーンに直球を投げ込むだけでは打たれてしまいます。
商談でにおいて相手の予想をいい意味で外す、要は「こんなもんだろ」と思われているところを上回って差し上げる。
こうすることで「こいつ頭いいな。。。」と思わせることが出来ます。
人間は頭がいい人間と仕事をしてラクをしたいもの。
「頭がいい」と思わせることに成功したとしたら、ただの業者を超えた仕事上のパートナーとしての付き合いが始まり、Win-Winの関係を築くことが出来るでしょう。
もしこれが難しい相手の場合は、素直に違う作戦を発動するべきです。
自分にも経験がありますが、自分と比較して、知識量も頭脳の回転も圧倒的に良いひとがいます。
こういう人にこの作戦は通用しないので、瞬時に相手の力量を見抜く力は養っておきましょう。
ライフイズビューティフル理論
ライフビューティフル理論とは「心からデートを楽しむ」ことによって相手の好感度を上げて、結婚相手として認識させるというもの。
この理論を仕事に活かすとしたら、単純に「心から仕事を楽しむ」ことにつきます。
僕の持論として「仕事を楽しめてないヤツは、楽しんでいるヤツには絶対にかなわない」というものがあります。
これはビジネス全般に関するものなのである意味当たり前の話ですが、ここではもう一歩踏み込んで
あなたとの仕事が本当に楽しい
と思うことが大切です。
どんな相手とのビジネスも、基本的にはすべて勉強になることばかりです。
それがたとえ上手くいかないことだとしても、それを克服したり乗り越えたりした時にはまた大きな成長を得られるわけです。
こうして目の前の相手との仕事を心から楽しみ、それを相手に伝えてください。
「◯◯さんとの仕事はほんと勉強になるし楽しいんですよ!」と。
人は自分のした事で相手が喜んでくれると、無条件に嬉しいものです。
自分と仕事をすることで相手が喜んでいる。
それが自分も嬉しい。
こうなると自分に仕事を出す理由のひとつになりますよね。
性転換理論
スパルタ婚活塾での性転換理論は、女性が、実際に男性がするような行動を取って心理状態を経験すれば、男性が何をして欲しいかを理解できると説いています。
ビジネスではどうか。
僕が実際に感じていることですが、ビジネスで末端の位置にいると、お金を払う側の気持ちが理解できないというものがあります。
普段僕はデザイナーやプログラマーと仕事をすることが多いのですが、そういった職種の人は自分で外注に依頼してお金を払うという経験を持っていません。
こうなると買い手の立場でのビジネスを経験できないので、買い手の気持ちを想像することができないのです。
要は買い手の期待値を読めない。
ビジネスを上手く運ぶコツとして「買い手の期待値を5%ほど超える」というものがあるのですが、これが難しくなってしまう。
頑張りすぎて期待値を20%など、必要以上に大きく超えると次からはそれが基準となって利益が出しづらくなりますし、期待値を超える値が0%以下だと次からの仕事は来ないでしょう。
買い手の気持ちを理解するためには自分が買い手になるのが一番早いのです。
ですから、もし自分が商流において末端にいるとしても、一度や二度は外注を使ってみて買い手になってみることをお勧めします。
また立場が会社員でそういったことが難しい場合でも、自分の責任のもとに部下に依頼する、同僚に依頼するなどしてできるだけ買い手の期待値を理解する努力をしてください。
買い手の期待値を理解できれば、あとはその値を超えるために何をすれんばいいかを考えるだけです。
アウトレット理論
アウトレット理論とは、合コンにおいて一見美人だけどそれぞれ難のある女性を引き連れて参加し、最終的に漁夫の利を得るというものです。
ビジネスにおいては、「難のある女性」は「一芸に秀でたスペシャリスト」と言っていいでしょう。
自分に取り立ててずば抜けた能力がない場合、足りない能力を補うためにスペシャリストをチームに加えます。
そのスペシャリストは業界ではその名を知られた人間だったり、知られていなかったとしても実績がすごかったりする人間です。
こういったスペシャリストをチームに加え
「自分はこんなすごいメンバーの、それぞれの能力や実績を預けられたすごい人間なんです」
というように自分のイメージを作っていきます。
また、これは実体験として感じていることですが、そういったスペシャリストは自分の職域において完璧な仕事することに喜びを見出す人種が多いので、営業下手であることが多いのです。
ここにもお客、自分、協業相手の三方良しが生まれます。
自分に飛び抜けた能力がない場合の処世術として、スペシャリストに仕事を運び、取りまとめるフィクサー的立ち位置は美味しいことが多いのでおすすめです。
AKKKNM理論
本でのAKKKNM理論とは、ついついすぐに返してしまいがちな男性のメールに対する理論。
これは、忙しくて本当にメールがかえせない状態にすること。
「あれ?(A)これ、(K)結果的に(K)駆引に(K)なっちゃって(N)ます?(M)理論」です。
異性とのやりとりで駆引的にメールを返さないことってあると思うんですけど、それをやると相手は大体
「こいつ意識してやってるな。」
とわかります。
これを防ぐために本当に忙しくしようという話なのですが、これをビジネスに応用する場合は以下のように解釈します。
仮氏理論とも重複しますが、とにかくちょっと条件の悪い仕事でも引き受けて忙しくしましょう。
忙しくしていると、他からの引き合いが多くて仕事ができる人、という風に思われます。
実際に仕事というのは忙しくしている人に集まりますしね。
人は、暇な奴に仕事なんて出したくないんですよね。
これはガラガラの飲食店に入りたくないのと同じ心境でしょう。
だからとにかく忙しくしていましょう。
ただ、ちゃんと儲かっている風にすることも大切です。本当に激安の仕事だけ受けまくって消耗している人は空気でわかります。
貧乏臭がする人は、ガラガラの飲食店と同じくらい関わりたくないものです。
その他の理論
その他の理論については、僕の力不足でビジネスへの転用について上手く解釈できなかったものや、そもそもセックスについて書かれていてちょっと転用が難しかったので割愛します。
しかし、これらの理論についてもかならず何かしら得られるものがあるので、しっかり読み込んで私生活だけでなく仕事に生かせないかを考えて欲しいと思います。
まとめ
スパルタ婚活塾のビジネス的解釈を書いてみました。
こうして書いてみると、やはり婚活もビジネスも結局は人とのコミュニケーションです。
自分がお付き合いしたい相手にとって良いパートナーとなる、またそうなれることをアピールするというコミュニケーション。
ビジネスに悩む、特に営業マンや自営業の方はスパルタ婚活塾を手に取ることをお勧めしますよ。
きっと何かのヒントになると思います。
っていうか読み物として相当面白いので、ビジネス視点抜きでも呼んで欲しい一冊です。
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