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デザイナー上がりのWebフリーランスの収入。独立後の年収は?

      2016/10/08

デザイナー・制作部門の管理者として過ごした13年間

僕は25歳で就職してから38で退職するまで、ずっとひとつの会社に勤めていた会社員でした。その会社は広告制作会社で、最初は5人ほどだったのが辞めるときには30人程度にまで成長していました。その過程ではいいことと嫌なこと、どちらも沢山経験しました。それが現在の自分を支えているのは間違いのない事実です。

僕は自分で言うのも何ですが、デザインはそれほど得意じゃなかったのです。デザイナーだろって思われるかもしれませんが、「なんとなくイヤじゃないし、割と器用だからなんでも出来た」からデザインの仕事をしていただけです。多分、会社員時代であれば、後半の数年間に担った管理職の方が向いてるような気がします。

そんなこれといった営業経験や、デザインの実力もそれほどない僕がどうやって現在売上を作っているのかを書き記し、いま売上を作れずに困っているひとに少しでも役立つことができればと思います。

会社を起こしてからの売上

いま会社は二期目の途中ですが、経営は順調ではないかと思います。融資を受けましたが順調に返済しています。

一期目の売上

一期目の売上は1900万円ほど。最初の数ヶ月ほとんど売上が無かったことを考えると、後半はかなり良かったですし、ほんの少しだけど利益も出ました。
会社でやっている以上、自分の役員報酬も経費となりますので、自分の給料や家賃、外注費などを差し引いて利益が出たことは、結構な自信になりました。

二期目の売上

そして二期目の8ヶ月が終わった現在、2200万ほどです。なんとか今期の売上を3000万まで持って行きたいところですが、1月から単価を意図的に引き上げて受注量を減らしていますので、ちょっと難しいかもしれません。

ひとり親方の会社としては、悪くない数字なのかなとも思いますが、いかがでしょうか。

まずは何でもやる、地力がついたら仕事を選ぶ

さて、僕が独立してからどうやって売上を作ってきたのかを書いていきたいと思います。

カッコつけないこと

ひょっとしたらとてもダメなことかもしれませんが、僕は、前職から仕事を奪わないなどといったカッコイイことをいう余裕は正直まったくありませんでした。

前職時代にとても仲良くしていたお客様からは起業してからも継続的に仕事を頂いています。これは僕が会社員時代につくった資産だと思っていますし、在職当時から「独立してもお前に仕事を出すからな」と言われるくらいの仕事をしようと思っていました。これは本当に有りがたかったですね。

前職との関係性はどうなんだ、と思われるかもしれませんが、僕が持って行ったお客様の仕事から、前職にも利益が残るような形を取っています。また、前職にかなり支払いもしていますし、起業した時に前職から事業を買い取っていたり、いまも前職の最重要顧客の仕事を前職名義でお手伝いしていたりして、関係性を深め、無碍に出来ない関係性を築いています。

前職の頃から、このあたりの処世術はまあまあ得意な方でした。自分の主張を会社に通すための根回しだとか、社長への提案時に「OK」と言わせるだけの状況のつくりかたとか、この辺を身につけておいたのはかなり役立っています。

とにかくカッコイイことを言っている余裕など無く、何が何でも売上をつくるしかなかったわけです。

また、安い仕事でも積極的に請けていました。もちろん本当に選べる状況ではなかったのですが、とにかく来た仕事を全部受けて、深夜まで仕事して、朝も9時には職場にいました。

ブラックな状況は前職で相当耐性をつけられたこともあり、特に苦にはならなかったですね。実際にその仕事をやるかどうか決めているのは自分だという意識も大きかったと思いますが。

案件を数多くこなし、経験を積んだら仕事を選ぶ

やすい仕事でも絶対に断らない、という姿勢で数多くの仕事をこなし続けたことで、会社員時代には得られなかった経験や知識を手にします。会社というのはやはり役割分担があるので、自分でやらなくてもいいことがたくさんあったのですが、自営業だとそういうわけにはいきません。全部自分でやるのです。また経営者となったことで、経営者に信用してもらえるようになったとも思います。

そんな状況を作ったら、仕事を選びます。

安すぎる仕事はしないことです。時間は誰にも平等で有限なもの。その貴重な資産をどのように使うかですべてが決まると言っても過言ではありません。
二期目のいまは、お金の使い方がかなり変わったと思います。タクシーにも多く乗るようになったのも、時間への意識が変わったからです。ちなみに通勤は今での自転車ですけど。

仕事を選ぶことで、条件の良い案件に集中して臨むことができます。そうすると、良いアウトプットが可能となり、その実績をもとに次の仕事が舞い込んでくるようになるのです。実際、デザイナー出身の経営者が仕事を得続けるには、このサイクルを続けるしか無いと思っています。

まとめ

会社員時代に超優秀で名が売れている人でない限り、とにかく一期目は寝ないで仕事することが大事だと思います。会社員時代の数年間に匹敵する経験を得られますし。その後、良い条件の案件が来るようになったらそれまでの取り組みは間違っていなかったということになるのでしょうし、ずっと安い仕事しか来ないようなら、向いていないのかもしれません。

会社の経営は向き不向きがありますので、早めに諦めることも「良い決断」と言える日が来るかもしれませんよね。

そんな僕は、デザイン業務はかなり減らしていて、事業も転換中。正直デザイナーで一生食っていけるとは1mmも思っていないので、自然なことでしたが、その決断ができるかどうかも経営センスなのかな、と思っています。ま、事業の転換に失敗する可能性もあるので、売上という結果のみで判断されてしまう経営者というのはなかなか厳しくも面白い職業だなあと思っています。


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