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「今日会社に行きたくない」という朝に読んで欲しい後輩の話

      2016/10/08

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誰でも「今日、会社行きたくないなあ」って思う日、ありますよね。

僕も13年間、結構なブラック零細企業ワンマン社長のもとで働いてきまして、それなりにつらい思いをしてきました。

今日はそのブラック企業時代の後輩を例に挙げて、対処法を書いていきます。

めちゃくちゃ「人が良かった」後輩

その後輩は僕が入社4年目くらいの時に、会社の会長(社長の父親)のツテで面接に来ました。

その頃の僕はまだ管理職という感じではなくて現場のリーダーといったところでしたが、僕がいる部署への入社希望者の面接には同席を求められるようになっていました。

その時の後輩の印象は「ちょっと要領悪そうだけど、素直でいい子っぽいな」といったところ。

そして会長のツテということもあって、即入社が決まったのでした。

入社後は僕らの部署の仕事についてほぼ素人ということもあり、最初は全然仕事ができませんでした

僕が直接指導していまたのですが、基本的に僕は「最初は全部言うとおりにやってね。出来るようになったら自分のやり方でいいから。」という指導法。

要は「ある程度成功している型」を身につけさせてから、自分に合ったスタイルを上乗せさせていく形。

ある程度仕事ができるようになるまでは、マンツーマンでしっかり指導していきます。

その指導中、相性も良かったので結構仲良くはしていたのですが、とにかく仕事は全然できなかったのでちょっとイライラしていたと思います。

ただ、その後輩はホントにイイヤツだったので、僕も匙を投げずに厳しくしながらもしっかり向き合えました。

ある程度仕事が出来るようになった「いい奴」の地獄

そうして指導するうちに、「ここまで出来れば自分なりに仕事を覚えていけばいい」というところまで成長したので、僕の手元を離れさせて一戦力として独り立ちさせました。

で、他の営業社員と直接やり取りをさせたところ、評判も上々

「まだちょっと仕事の質は甘いけど、頑張るし、素直だし、いいんじゃない?」といった評価でした。

しかし、数ヶ月仕事ぶりを見ていると、どうも彼の周囲にだけ営業社員がべったりくっついて仕事をするようになってきました。

僕はその時

「ああ。。こうなっちゃったか。やっぱり。」

という感想を持ちました。

その後輩、ホントにイイヤツなんです。

だから、言われた仕事に対してまずは「はい、わかりました」と言います。

そして多少のしんどさや無理強いくらいなら根性で乗り切ってしまうんですよね。

僕だったらイラッとした顔をして、無理を言われなくするように自己防衛をするのですが、なまじ根性もあるしイイヤツなので素直に言うことを聞いてしまうんですよね。

それが良くなかったですね。

営業社員からの無茶な要求はどんどんエスカレートして、彼だけ深夜まで残って作業している、なんてこともしばしばありました。

もちろん出来る範囲では助けるのですが、僕達の仕事の性質上、途中から手を出すことが難しくどうしようもないことも多々ありました。

もちろん今となってわかるのは

「会社の体制が最悪だった」

ということなのですが。。。

そうこうしているうちに、後輩の顔から少しずつ表情が消えていくのでした。

ブラック企業は社員が無知であることを望む

とにかく酷使され、考える時間を奪われ続けた

僕自身、当時の会社のブラックな体質とは結構戦っていた身なので、まずは自分のことで精一杯でした。

人って自分が幸せじゃないと人の幸せなど喜べないですからね。

だから情などに左右されず、まずは自分の身を守ることを第一選択肢としていました。

そして、後輩よりひとあし先に会社を辞めることになったのでした。

僕は割りと要領がいい方だったので、会社には一生懸命働いているアピール(もちろんやるべき事はしっかりやっていましたよ)をしながらも、裏では退職や転職・独立の準備を粛々と進めていました。

しかし後輩は、とにかく朝から深夜までガッツリ作業をさせられていて、9時出社なのに帰るのは每日深夜1時〜2時。時には徹夜もありました。

もちろんダラダラと仕事をしているわけではなく、スピード的にもかなり追い込まれた状況で働いていましたので、帰る頃には転職活動をする気力も時間も無く、土日はひたすら寝るという生活

こうして彼は僕が辞めた後も3年間も同じ会社で酷使され続けてきました。

時間を奪えば思考を奪える

ブラック企業にとっては、社員の時間を奪うことで様々なメリットがあるんです。

まずは外との繋がりを極力断ち切れます

会社の外には例え同じ業界でも、もっともっといい条件で働いている人がいます。そんな人と友人にでもなったら、会社に疑念を抱き、すぐに辞めることになってしまう。

また、転職活動の時間も奪えます

これでズルズルと続けるはめになりますね。

会社の面接って遅くても18時頃までですよね。

あ、「それ以降でもいいですよ」って言う会社、大体ブラックですから気をつけてください。「(どうせずっと働いているので)それ以降でもいいですよ」ってことです。

さて、18時までに面接に行くなんて、勤めていた当時の僕からしても「有りえない」状況でした。この変な愛社精神を育みつつ社員の自由を奪う仕組み、すごいと思います。

そして忙しく長時間働かせることで思考能力を奪ってしまいます。

これが最大の効果を産むわけですよね。会社側からすれば。

後輩はとにかく真面目ですから、仕事が終わらないと絶対に帰らないし、営業からの無理な要望にも全力で応えようとしていました。

そうなると深夜まで仕事していたこともあって、既に先に辞めた僕が「あの会社絶対ヤバイぞ」と言っても生返事しか返してきません。

どうしていいかわからないと不安なのは間違いないのですが、それより「考えている時間があるなら取り敢えず寝たい」という思考回路を創りだしてしまいます。

僕自身もそういった部分はありましたが、そういう時ってとにかく真面目に頑張っちゃうんですよね。頑張ってると自分に言い訳できますからね。

「俺頑張ってるし」って。

そして更に視野が狭くなっていきます。

こうなると骨までしゃぶり尽くされる立派な社畜の完成ですね。

辞めた後のスッキリした笑顔は忘れられない

さて、このままズルズルと年を重ねていくかと思われた後輩ですが、幸い先に社畜人生を抜けだした「僕」という先輩がいました。

同じ会社で働いていて状況をすべて理解していて、その状況から一足先に抜けだして狭まった視野を元に戻していた先輩である僕。

その僕は後輩に、いかに今の状況が異常で、辞めることに不安を覚える必要がなく、むしろ辞めないともっと将来が不安だということを粘り強く訴え続けました。

とてもイイヤツである後輩を、そのまま放置してあのブラック企業の食い物にさせるわけには行かないと思ったんですよね。

何度も飲みに誘って、時には厳しく、時には諭すように、そして最後には「次に飲むときは辞めることを決めてからな」とまで言いました。

何度言っても目を覚まさない後輩に、実際に半分匙を投げかけていたのですが、ある時「報告がありますので飲んでください」と言ってきたのでした。

そして、無事に会社を辞める決心がついたことを告げられたのでした。

その時の後輩のスッキリした表情は今でも忘れられません。

その後、ちゃんと会社を辞めてから有給もしっかり取った後輩。

今度は誰かのツテではなく自分でしっかり調べて、前職と同ジャンルながらも経験を活かせて、さらにホワイト体質な起業に転職していきました。

いまでは結婚もして幸せに生活しているようです。

前職時代は時間が余りに少なすぎて友人と遊ぶ暇もなく、結婚なんて考えられなかったのに。

まとめ

やはりブラック企業なんてサッサと辞めるに限ります。

もし今日仕事に行きたくないと思っているあなたの会社がブラックだなと思うのなら、迷わずなるべく早く辞めてしまいましょう

ブラック企業に付き合っている暇など、我々には無いのです。

多少給料が下がってでも、自分の時間を持てる会社に転職しましょう。もしお金が必要なら、自分の意志で副業なり、アルバイトなりをすればいいんです。

ブラック企業には何の価値もありません。儲かってないからブラックなんです。

そんな会社の代わりなんていくらでもありますからね。


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