仕事を辞めたいのに辞められない!ブラック企業退職の準備5つ
あなたは、会社を辞めたいのにやめられない経験をお持ちでしょうか。
会社がブラックであればあるほど、そこで働く従業員は辞めさせてもらえなくなります。
僕はなかなかのブラック企業で13年間勤め、その間に「管理職として辞めさせない」経験と、「社長に辞めさせてもらえない」経験の両方をじっくりたっぷり味わいました。
そして最終的には捨てられるかのように会社を辞めることになりました。
この記事では、こんな経験を持つ僕が、ある日突然会社を辞めてもいいように準備していたことをお伝えしたいと思います。
管理職として、僕がスタッフを辞めさせなかった日々
僕は3年前に13年間勤めた会社を辞め、今は独立して会社を経営しています。
勤めていた会社はなかなかのブラック企業で、
- 平日は当然9時出社
- 電車通勤のスタッフは「終電何時?」と面接時に聞く
- 会社の近くに住むことを推奨
- 自転車・徒歩通勤の社員は1〜2時退社が当たり前
- 土曜日はほぼ出勤、日曜出勤も多々あり
- 給料は極めて並、もしくはそれ以下
という状況。
よく13年間も勤めたなーと思いますが、これには訳があります。
僕は入社から8年目くらいまではバリバリと現場で働いていましたが、その後はその部署の管理者になって、割と自分の好きなように仕事ができるようになったんです。
とは言っても僕がいた会社は社員30人の零細企業。
日が変わっても働いているスタッフを置いて一人だけ早く帰ることなどできず、基本的には深夜11時〜0時頃までは会社にいて仕事をしてましたが、最後までいることはなくなりました。
そんな僕も一応管理職だったので、スタッフからいろんな相談を受けていました。
その中には当然、
「会社、辞めます」
というものも何度も何度もありました。
もちろんただの管理者とは言え、自分の部署のスタッフが辞めるのは、自分が女の子にフラレるのと同じような気分なんですよね。
それがたとえむさ苦しいおっさんでも。
でも、何度も何度もあるわけですよ。ブラック企業ですから。
そりゃーもう人の出入りが頻繁です。
年中求人誌で募集している状態。
そうなると、管理してる方も慣れてくるんですね。
慣れるというより、身構えるというか。
「大丈夫、慣れてるから」
って何度も言ってましたねー。ホントは傷ついてるんですけどね・・・。
で、傷つきたくないので、何とか辞めないように持っていくわけです。
どうするかというと、
「辞めるのは簡単だけどさ、他の会社行くより、ウチの会社の方が変えられる可能性があるよ」
とか
「他に行っても俺たちのスキルだと、今以上の条件はもらえないよね」
とか言って洗脳していくわけですよーーーーー。。。。
今振り返っても寒気がしますね。
僕は暴力的で威圧的な上司ではなかったものの、ずる賢いタイプなのは間違いないので、多分完全に騙されているスタッフもいましたよね。
そうして、できるだけスタッフが
「会社を辞めるなんて怖い」
「他に言っても条件は良くならない」
「安定して仕事があるだけマシだ」
と考えるように導いていました。
みんなキツイ状況で働いていて、多分ちょっとおかしいテンションなんです。
意外なほど効果があったんですよねー。。。
僕が社長に辞めさせてもらえなかった日々
そして、そんな僕もやはりブラックな状況に嫌気がさして、辞めたいと思うようになります。
当然ですよね。
僕にも家族がいるので、かなりストレスが溜まっていました。
もちろん僕だけでなく、ほぼ一人で子育てをしている奥さんも相当なストレス。
で、社長に
「そろそろ外の世界を見たいです。13年も一つの会社でいるのもよくないと思うので・・・」
という相談をするわけです。
また運の悪いことに(?)僕の上司は社長なんですよねー。
13年もいるとこういうことが起こります。
そして社長は、即答で、それも秒で返事をします。
「ダメー。」
まあ予想通りでしたけどね苦笑。
この社長が、まあなかなかのチンピラ風で、日サロで肌は黒いし、50歳になろうかというのに結構明るい茶髪だし、さらに体も大きいので、結構な威圧感なんですよ。。。
しかも会社の仕事でなく社長の個人的な依頼(もちろん勤務時間中)で、「◯◯組 組長さん江」という贈答用の鏡に印刷する部分のデザインをさせられたりするんです。
そういう背景もあるので、
「ああああ・・・」となって、諦めざるをえないんですよね。
このように僕がスタッフにしていたのとは違う形ではありますが、僕も「辞めたいのに辞められない」という状況となっていたのです。
どうしてブラック企業は辞めたい人間を辞めさせないのか
さて、前職を含むブラック企業はどうして社員を辞めさせたがらないのでしょうか。
普通に考えれば、辞めたがっている人間は社内に置いておいても周囲に愚痴を言うし、やる気もないだろうし、在籍させ続けても得はなさそうに見えます。
しかし、やはりそこもブラック企業ならではの理由があるんです。
まず、ブラック企業というのはほとんどの場合、それほど儲かっていないからブラックになっているわけです。
そして、社員の給料の安さと長時間労働を活かして、膨大な仕事量を極端に安くして受注していることがほとんどです。
社長だけが儲けている可能性は大いにありますが苦笑
儲かってないわけですから、当然社員の給料はよくありません。
本来であればどんどん辞めていきます。
でも求人媒体で募集するのはたくさんの時間とお金がかかります。
また、人が辞めても仕事は薄利多売なので膨大にあります。
この仕事をこなさなければいけないので、現場は常に逼迫していて新人の教育なんてやってられません。
だから、少しでも戦力になるスタッフに給料を上げずに長く勤めてもらうのが最もコストがかからない方法なんですよねー。
僕がそうだったように、管理職をしている立場としても人が入れ替わるのはめんどくさいんですよ。
そうして、劣悪な環境でも不満をなるべく持たせないためにも、
- とにかく長時間働かせて外部との接触を断つ
- 今の状況よりいいところは少ないと洗脳する
- 背景には社長の威圧的な態度が見え隠れする
というようなことが起きるわけですねー。
もちろん冷静に考えれば即刻辞めればいいだけなんですけど、
- ブラック企業特有の視野が狭い状態
- 深夜作業が続いてちょっと体育祭的なノリ
- 自分だけが辞めると他の人に迷惑がかかるという心理まで働く
といったことから、意外と辞められないものなんですよね・・・。
そして何だかその与えられた職場で頑張るのが正しくて、そうできないのは自分が弱くてダメなだけだ、というおかしな思想になっていきがちなんですよね。
実際に僕も部下にそうさせていたし、自分もそうでした。
そうやって頑張っている自分を肯定してあげないと、バランスが保てないんですよね。
でも僕は、あるきっかけで目が覚めて、辞める準備を始めていきました。
そして、実際に辞めることができたんです。それも、退職の意思を伝えてから一週間で有給消化期間に入り、すべてを消化してから退職しました。
僕がした「辞めるための準備」とは何なのでしょうか。
自分が辞めたいタイミングで辞める為に準備しておくこと
僕は、社長にとあることで激詰めされたことで、退職の準備を始めます。
とは言え、僕にも家族がいたし、住宅ローンもありますので、簡単に辞めるわけには行きません。
それでも、自分が思い描いたタイミングで次のステップに進むために、割と用意周到に準備をしていったのでした。
結論を言うと、やはりいま所属している会社への依存度を弱める、ということに尽きると思います。
どうして劣悪な環境なのに会社を辞められないかというと、やはり依存しているからなんです。
それも、会社と社員というのは、社員から会社に対する一方的な依存関係です。
もしそれが双方向の依存だとしたら、おそらく雇用条件は悪くないものになるはずですし、社員も強気で交渉ができるはず。
それができないというのは、やはり不健全な依存関係だからに他なりません。
これを解消することが、ブラックな状況から抜け出す最大のポイントと言えます。
それでは、僕がこの依存関係を断ち切るために実行した「辞めるための準備」をお伝えします。
会社の備品をなるべく使わないようにした
まず意識したのは、会社の備品をできるだけ使わないようにしました。
これには色んなものがありますが、例えばパソコン。
中小零細企業であれば、自分のパソコンを持ち込んで使うことも問題ないケースが多いですよね。
それでも持っていなければ仕事にならないので、おそらく会社から支給されるはずです。
僕の会社はそうでした。
しかし、これを自分で持ち込んでしまうのです。
また、例えばボールペンやシャチハタ、さらに様々なデスク周りのものなど、普通であれば会社から支給される備品ですら、できるだけ自分で揃えるようにします。
こうすることで、心身ともに会社からの依存度を低くすることができるのです。
僕は最終的には、パソコン、ワークチェア(腰が悪いので・・)、デスク周りの棚、仕事で使う携帯電話、パソコンで使用するソフトやスマホアプリなど、とにかく仕事で使うほとんどモノを私物で揃えていました。
僕の例は極端なので、なかなか参考にならないかもしれませんが、
「いつ辞めても同じ環境で仕事ができる」
と思うだけで、かなり会社への依存度が減ったのを実感していました。
できるだけ外の世界に触れるようにした
僕は普段は社内で仕事をしていたのですが、退職を意識してからは積極的に外に出るようにしました。
最初は営業担当の人に頼み込んで同行させてもらうようにしていましたし、最後の方は社内窓口として担当していたお客さんのところに出向いていって打ち合わせが出来るようにしていました。
会社から見ると、表向きは「あいつ最近やる気出してるなー」というように映っていたと思います。
しかし本音は全然違い、
- クライアントがどんなことを考えているのか知りたかった
- あわよくば辞めてからも仕事をくれるクライアントを探したかった
という感じで考えていました。
こうして、個人的に親しくしてくれるクライアントを少しずつ増やし、今まではわからなかったクライアントの本音を聞き出すことができるようになりました。
また、「会社を辞めて独立しても仕事をくれるかも」というクライアントを見つけられて、「最低限食べていける」という安心を得ることができたのです。
もちろん独立を目標にしなくても同じことで、やはり自分と仲良くしてくれるクライアントを持つというのは、自分を客観的に評価してくれるので、精神の安定につながるのは間違いありません。
また、土日に開催していた社外の勉強会にも積極的に参加していました。
もちろん勉強自体も目的なのですが、一番良かったのは社外に人脈を作れたことですね。
内勤の会社員って、下手をすると人間関係が社内の人間と、学生時代に友人と、家族だけになってしまうんですよね。
これを、利害関係無く共通の仕事や勉強内容を持った友人ができたのは、本当に大きなきっかけになったと思います。
似たような環境で苦しんでいる人もいたり、実は自分がいた環境がかなり劣悪な方だと知ったり、他の会社に行っても問題なく仕事ができるのではないかと思えたり。
会社員は、どうしても視野が狭くなりがちです。
会社内の判断基準だけで判断して、自分の可能性に気が付かないことが往々にしてあるのです。
でも、これが外に人間関係をつくるだけで一気に変わるのです。
今の仕事に+αの知識を身に着けた
僕が所属していた会社は、紙媒体を取り扱う広告会社でした。
でも、紙媒体ってやっぱりもう価格の叩き合いになってて、「それどうやって利益出すの」というような金額での受注がほとんどだったんです。
まあその利益は従業員を安く長時間働かせることでしか得られないわけですけどねー。
実際に前職の社長は
「ウチなんて残業代払ったら倒産するぞw 払えるかそんなもん」
って言ってましたからねー。あ、あと、
「この時代に仕事が潤沢にあるだけありがたいと思え」
とも言ってましたね苦笑
それを聞いて僕ら洗脳社員も
「ああ、そうだなあ、暇で潰れちゃうよりよっぽどいいなあ」
って思ってましたし、周囲の友人や親族も「今の時代仕事がそんなにあるのはすごいことだよ」的な感じでしたからねー。
でも、みんな認識してないのは、前職は
低賃金長時間労働
だったってことなんですけどねー。
さて、どんどん単価が下っていく紙媒体を取り扱う会社で、僕はWeb広告やWeb制作の知識をプラスαとして取り入れていったのです。
でも、このときは時間を捻出するのが大変でしたねー。
朝6時に起きて2時間ほど勉強して、その後会社に行っていました。
でも、やったことが無いことを覚える楽しさで、割と夢中になって勉強できたと思います。
今考えると、その当時でさえWeb制作業界も疲弊していたんです。
でも「廃れゆく紙媒体」だけに携わっているのと、「未来が感じられるWeb」にも携わっていられるのは、精神的に大きな違いがありましたよ。
また、社内は紙媒体の知識しかない人ばかり。
そんな中で、「新しいこと」と思われるWebのことを理解している僕は「別世界に行こうとしている人」といった目で見られていたと思います。
考えてみればそんなに大したことはしてないんですよ。
Webの知識と言っても当時ですら基礎中の基礎でしたから。
でも、ある世界では常識の知識も、隣の世界に持っていくと重宝がられるものってありますよね。
まさしくそんな感じで、僕はさらに自信を深めることができたんですねー。
副業をした
僕はWeb制作と紙媒体の両方が扱えるようになったことで、割と便利な人間になっていきました。
このことを利用して、副業を始めたんです。
もちろん最初は「安くやってくれるなら個人で出すよ」と行ってくれる人が登場したことが始まりでした。
ですので、僕は自社事業と関連があることで副業を始めたんです。
これは非常に大きな自信になりましたねー。
副業ながら、MAXで月に30万円近く稼ぐことができました。
「これで自分の事業として専念したら、会社辞めても大丈夫なんじゃないか?」
と思えるようになっていったんですね。
これも依存からの脱却だと思うんです。
もちろん会社の仕事に関連しないことでも、経済的な依存を弱めることは非常に良いことだと思います。
「社業に専念しないからダメなんだ!」
と思われる方は社業に専念して沈んでいけば良いと思います。
今の時代、以下に依存を弱めるかが、逆に言えばいかに依存先をたくさん作るかが非常に重要で、ひとつの会社に経済基盤を依存しきっている状況は本当に不健全なんですよね。
だから、株でも不動産でもせどりでも民泊でもなんでもいいので、第二・第三の収入源を手に入れることが大切だと思うんです。
とくに、僕のような中小零細企業にいた人間は、いつ会社が飛ぶかもわかりません。
こんなときに安心して社業に打ち込むことが出来るのは、やっぱり経済的に安定感があってこそ。
だからこそ、やっぱり副業をすることは、会社への依存を弱めるために重要だと思います。
ただ、「副業をしたほうがいい!」って言うと、コンビニでバイトしちゃったりする人がいるかもしれません。
そんなのは絶対に駄目です。
時間を切り売りしても仕方がないので、自分で単価を決められる仕事か、お金に働いてもらう少額投資を始めるのが良いと思いますよ。
また、「簡単に100万円稼げます!」的な情報商材にも気をつけましょう。
中には有料なものもあるとは思いますが、それを見分けるのは困難を極めます。
ですから、自分のできる範囲のことで小さく副業をはじめて行ってくださいね。
自分の客観的な価値を把握した
最後のひとつ。
これも重要な事だと思います。
会社を辞められない原因って、やっぱり「不安」だからだと思うんです。
「他の会社に行って、務まるんだろうか」
「次はもっとひどい状況になるんじゃないだろうか」
と思ってしまうと、尻込みしてしまうものです。
僕の以前転職活動していたときに、面接に行くまではすごく不安で、自分の価値はどのくらいなんだろうというのをすごく気にしていました。
でも、実際に面接に行ってみると、何社か内定をもらえたんですよね。
その時は結局条件が合わず転職しなかったのですが、
「あまり選びさえしなければ、転職先はあるんだ。それも今よりも大きな会社で」
と思えたことは、大きな自信になったのは間違いありません。
また、この頃は転職系のエージェントにも登録していました。
ここで
「あなたの経歴なら、それほど選べないかもしれないけど、転職先は見つかると思います」
と言ってもらえたことも、大きな自信になりました。
やはり「外の世界に触れる」と同じで、客観的な評価を聞くのは本当にいいですね。
もちろん「今のままでは厳しい」とか転職の面接で落選してしまうといったこともあるかもしれません。
それでもやはり外の世界に打って出て、評価をもらって帰ってくる。
勇気を持ってチャレンジすることから道は開けるのではないでしょうか。
最後に
この記事では
「ブラック企業に勤めていて、辞めたいのに辞められない」
という人に向けて、僕の経験談を交えて退社に向けた準備について書きました。
これが全ての人に当てはまるかと言えばそうではないと思います。
でも、何かのヒントにはしてもらえるのではないかと思って書いてみました。
この記事を読んで、今の大変な状況を抜け出すヒントにしてもらえたら、嬉しく思います。
それでは、また!
気に入っていただけたらシェアしていただけますと、とても嬉しいですm(_ _)m