茶々の嫁入が豊臣秀吉の行末を暗示 真田丸19話恋路の感想
2018/07/18
今回の放送は茶々(竹内結子)が秀吉の側室になること、そして本多平八郎忠勝の娘が源三郎の正室になることが大きなトピックスでした。
戦国時代を描いた大河ドラマにおいては、戦のシーンがないと若干物足りないのは事実ですが、それを退屈に感じさせない三谷幸喜の脚本を味わえました。
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今回のあらすじ
信繁(堺雅人)は茶々(竹内結子)にせがまれ大坂城の中を二人きりで案内する。まだ若い茶々が過酷な運命を生き抜いていたことを思い知った信繁は、奔放に振る舞う茶々に対し好意を抱いてしまう。九州平定を目前にした秀吉(小日向文世)は茶々を側室にしようと考える。秀吉の周囲は信繁と茶々の仲をいぶかり始める。一方、家康(内野聖陽)は信幸(大泉洋)と、忠勝(藤岡弘、)の愛娘・稲姫(吉田羊)との政略結婚を持ち掛ける。
あらすじ 第19回「恋路」|NHK大河ドラマ『真田丸』
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/story/story19.html
秀吉がおかしくなっていく第一歩
今回の放送で茶々(後の淀殿)が秀吉の側室となりました。
僕は、豊臣政権がほぼ1代で崩壊したのは、寧々との間に子供がいなかったのが原因のひとつだと思っています。
寧々(北政所)は、実際にどうだったかはわかりませんが、豊臣家の良心のような部分だったのではないかと思います。
これは秀吉死後の立ち居振る舞いから見ても、そうなのではないかと思われるところです。
この寧々との間に早々に子供ができていれば、秀次の悲劇も無かったでしょうし、関が原も大坂の陣も無かったように思います。
しかしそうなると、信繁の死に花を咲かせる機会も無かったわけですが。。。
それにしても、やはり秀吉は結局は百姓の子なんでしょうね。
というのも、やはり信長や家康にあって秀吉に無かったものは、代々受け継がれた領主としての誇りのようなものなのではないでしょうか。
幼少期から武家の嫡男として育てられた信長・家康が、現在で言う財閥の御曹司として育てられたのとは違い、結局は現場で叩き上げたやり手のビジネスマンなわけです。
そこには「リーダーはこうあるべき」というものが血肉に染みていないというか、
天下を取ってしまった後の絵がうまく描けなかったんでしょう。
それが無謀な朝鮮出兵、そして茶々を重んじるが余り関ヶ原からの大坂の陣へとつながっていき、豊臣家の滅亡を招くわけですよね。
秀吉死後に、寧々との間に出来た跡継ぎを苦労を重ねてきた寧々が育てていたら、また歴史がどうなっていたかわかりません。
秀吉にとって茶々は織田信長を超えるために必要な最後のピース?
茶々は秀吉にとって、絶対に越えて行かなくてはならない信長の象徴だったのではないでしょうか。
信長の家臣時代の秀吉であれば、信長の血族を側室に迎え入れることなど到底無理なことだったはず。
信長の横死後、秀吉は自分の手で天下を手繰り寄せ、信長の妹であるお市の方を娶った柴田勝家を滅ぼました。
そして最終的には、そのお市の方の娘であり信長の姪である茶々を側室として迎え入れる。
信長の天下取りを間近で見てきた秀吉にとって、信長とはそれだけ大きな存在であり、天下人として君臨するために必要だった最後のピースなのでしょう。
「私の親しい人たちはみな殿下に殺されました」と言うセリフがありましたが、やはりそこには浅からぬ因縁を感じますし、茶々自身も豊臣家に嫁いだがために悲劇的な死を迎えるわけですから、あながちそのセリフも間違っていないといえますね。
それにしても、茶々の嫁入りの日の描写がすごかったですね。
照明が真っ暗な演出で、まさに暗雲漂うという感じ。
これからの豊臣政権の行く末を暗示していましたね。
徳川との結びつきを強める真田家
さて話を真田家に戻します。
駿府では徳川と真田家の縁組が進みます。
この縁組が真田家の命運を大きく分けることは、このブログでも度々触れています。
ドラマでの描かれ方としては、親バカの本多平八郎忠勝が渋りまくっていますが、実際にはどうだったのでしょう。
確かに天下を伺おうとする徳川家の重臣の娘の嫁ぎ先としては些か家格に物足りなさを感じるところでしょう。
しかしそれだけに、家康が真田家を軽視していないことが伺えますね。
これには第一次上田合戦の苦い思い出や、その周辺の立ち回りを見てのものでしょう。
また地理的にも真田家の納めていた信州が、重要な場所にあったということもありそうですね。
信濃には今日へ通ずる街道、中山道があります。
また北には上杉、東に北条と大大名が隣接する緩衝地帯となっています。
ここを抑えておくことが後々に重要となってくることを家康はわきまえていたのでしょう。
そして実際に、第二次上田合戦においてその重要性を再確認させられることになるわけです。
九州征伐から小田原征伐へ
さて史実はこの後九州征伐から小田原征伐へと進んでいきます。
小田原征伐では、真田家の活躍も見られるでしょうし、楽しみですね。
それまではしばらく今回のような人間ドラマが展開されると思いますが、三谷幸喜の脚本であればそういうところこそ面白みが増す部分だと思いますので、楽しみに見ていきましょう!
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NHK公式 5分で分かる真田丸~第19回「恋路」~
次回放送 20話「前兆」のあらすじ
秀吉(小日向文世)の側室となった茶々(竹内結子)が子を身ごもる。秀吉は有頂天になるが、城下ではそれをやゆする落書きが発見される。信繁(堺雅人)は石田三成(山本耕史)や大谷吉継(片岡愛之助)と犯人探しに乗り出すが、捜査は難航する。怒りがおさまらない秀吉は、犯人が見つからなければ門番や町人たちまでをも処刑すると言い出す。知恵を絞る信繁。豊臣政権への信頼を揺るがしかねない事態に寧(鈴木京香)は…。
あらすじ 第20回「前兆」|NHK大河ドラマ『真田丸』
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/story/story20.html
ネタバレほぼ無し!前回までの感想はこちら
真田丸は初回からネタバレ無しの感想を書いています。よかったらご覧ください!
ネタバレしまくり!第1話〜13話を一気に把握できるまとめ記事
まだ観ていなくてこれから観始める人のために、「ここは知っておいたほうがいいなー」というポイントを中心に、いままでの放送をざっくりと振り返ってみます。
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