ブンデスリーガ昇格後好調なハノーファー96 2017-18シーズンの展望と順位予想
どもです。サトウです。
僕は3度の飯と酒の次くらいにサッカーが好きで、週末はDAZNとスポナビライブを行ったり来たりしながらいろんなサッカーを見ています。
で、欧州サッカーで一番注目しちゃうのは、やっぱり日本人選手が多く所属しているブンデスリーガなんですよねー。
そんなブンデスの中でも、この記事ではハノーファーについて書いていきたいと思います。
2002-03シーズンからブンデスリーガ1部に定着していたハノーファーですが、ついに2015-16シーズンに最下位となってしまい2部に降格してしまいましたねー。
しかし昨シーズンは2部で2位と1年での1部復帰を果たします。
第13節終了現在も10位をキープと、降格最有力と思われていたにも関わらず、かなり健闘してますね〜。
かつては清武弘嗣、酒井宏樹、山口蛍と日本人選手がたくさん在籍していたクラブなので、日本でもなじみがあるクラブです。
昇格一年目でここまでボチボチ勝てている要因は何か。そしてこの勢いは続くのか、今シーズンのハノーファーの戦いを占いたいと思います。
未来の名将、アンドレ・ブライテンライター監督
昨シーズン一年での二部からの昇格を狙うハノーファーでしたが、3月の段階で3位に甘んじていました。
そこでクラブは思い切って、当時監督だったダニエル・シュンテンデル監督を解任します。
そして新監督にアンドレ・ブライテンライター監督を任命。
彼自身ハノーファーの下部組織出身の選手で、約23年ぶりに戻ってきたのです。
選手としてはハノーファーやハンブルガーなどで攻撃的なポジションでプレーしていました。代表歴はありませんが長年ブンデスリーガで活躍した選手です。
指導者としては、まずはハーベルスという自身が選手としてキャリアを終えた下部のクラブでキャリアをスタートします。
その後、当時2部だったSCパーダーボルンの監督に就任。クラブを一部に昇格させました。一年で降格となってはしまいましたが、ここで名声を上げましたね。
そして、2015-16シーズン名門シャルケの監督に就任しました。しかし、シャルケでは今一つ上手く行かずに結局このシーズン限りで解任されてしまいます。
そして、今年の3月にハノーファーの監督に就任となったのです。
就任後すぐにチームを立て直し、見事クラブをブンデスリーガ1部へ昇格に導きました。
そして、SCパーダーボルンでの経験が活きているのか、昇格するだけでなく、しっかりとハノーファーを一部で戦えるチームに成長させたのです。
成功し、その後失敗を繰り返しましたが、ブライテンライター監督はしっかりとそこから学び、それを次への経験に活かしていますねー。
個人的な予想ですが、今後もっと成長する監督だと思います。
いずれ上位に君臨するクラブに引き抜かれる可能性は高いのではないでしょうか。
ハノーファーの戦術
さて、そんなブライテンライター監督がチームに落とし込んでいる戦術について見ていきましょう。
様々なシステムを採用
今シーズンのハノーファーは対戦相手によって、システムを変えています。もっとも多く使っているのは4-1-2-3のアンカーを置くタイプを使っています。
他に4-4-2、4-5-1、3-4-3など、今までに本当に様々なシステムを使っていますねー。
でも、一番4-4-2のシステムが一番機能している気がするんですよね。
ま、ドイツ人の監督は本当に様々なシステムを使う監督が多いですからねー。この辺も国民気質なのでしょうか。
ブライテンライター監督も相手のことを本当に研究しています。どの試合でもたとえ負けたとしても内容は満足できる試合が多くなってますよ。
守備戦術について
とにかくこのチームは走ります。運動量がとても豊富です。
相手選手にしっかりとプレスを仕掛けていきますね。
ラインも基本的には高く維持していますが、これも対戦相手によって調整しています。
ただ、やはり攻め込まれ過ぎると少し下がり過ぎてしまうという癖もあります。
今シーズン現在11試合で 16失点とそこそこ堅い守備を見せていますね。
対戦相手によってしっかりと対策をして、今ある戦力で一番守れる戦術を選んでいます。ブライテンライター監督はなかな知将なのではないでしょうか。
攻撃戦術について
どのシステムを使うときにも意識しているのが、縦に速くボールを出すこと。
つまりカウンター重視の戦術です。
特に、第10節のドルトムント戦は見事でした。相手の弱点を執拗に攻めまくり、4得点を上げさらに1人退場に追い込みました。
サイドが弱点の相手にはサイドからバンバン攻め上がります。試合によってクロスの本数が20本も上げた試合をしたと思ったら、他の試合では2本しか上げていなかったりします。
ハノーファーのサッカーは観ていて楽しいんですよね。決して消極的な理由で相手に合わせているわけではないのです。
弱点は徹底的に突くという、本当にいやらしいチームです。
だからこそ強い!
昇格1年目だからこそ、こういうチャレンジングな戦いが出来るのかもしれないです。
夏の移籍市場での動き
レンタルバックと、FWアルトゥル・ソビエフがダルムシュタットに移籍したぐらいで、大きな戦力の放出はありませんでした。
今シーズンの強さの理由の一つがメンバーを固定出来ているからではないでしょうか。
主な獲得選手
昨シーズンのメンバーに加えしっかりと足りない部分は補強し、戦力を高めることに成功しましたよ。
ディフェンス陣はハンブルガーSVからDFマティアス・オストルツォレクと、ボルシアMGからDFユリアン・コープを獲得します。
昨シーズン物足りなかった守備の戦力を高めることに成功しました。
中盤ではホッフェンハイムからMFピルミン・シュヴェクラーを獲得します。経験豊富な30歳のスイス代表ですね。
前線ではルビン・カザンからブラジル人FWジョナタスを獲得。さらにデュッセルドルフからトーゴ代表FWイーラス・ベブを獲得します。
未知数な2人でしたが、現在3ゴールずつ上げており、結果を残していますね。
どの選手もそこまで知名度があるわけではありません。
昨シーズンはベンチの機会が多かった選手も居ます。
しかしここまでは獲得した選手のほとんどが活躍していますからねー。
フロントなかなか有能ですよね。
チームにフィットする選手をしっかりと選んでそれが結果に出ていますね。
シーズンのメンバー紹介
それでは今シーズンのメンバーを紹介したいと思います。
ゴールキーパー
昨シーズンからレギュラーを獲得しているフィリップ・チャウナー。彼が今シーズンも正ゴールキーパーです。
ブンデスリーガ1部でのプレー経験はニュルンベルク時代に1試合出場しただけで、それ以降は主に2部でのプレーばかりでした。
今シーズン32歳にして初めてブンデスリーガ1部の舞台で正ゴールキーパーの座を掴んだんですよねー。安定したセーブを見せており、その実力は1部の舞台でも十分通用していますね。
ドイツのゴールキーパーは本当にレベルが高いですね。彼が2部に甘んじていたんですから・・・
サイドバック
右サイドバックは今シーズン加入したユリアン・コープです。昨シーズンまでボルシアMG一筋の選手でした。
しかし、ボルシアMGではスタメンを勝ち取ることが出来ず、出場機会を求めて、ハノーファーに移籍してきました。
運動量が豊富で、サイドを駆け上がりクロスをたくさん上げます。今シーズンは本当にチームに貢献しています。
左サイドバックはマティアス・オストルツォレクです。昨シーズンまでハンブルガーでプレーしていましたが、契約満了になりフリーでハノーファーに加入しました。
ブンデスリーガでの経験は豊富で、代表歴こそないものの実力がある選手です。運動量とクロスの精度が武器の選手でしたが、最近は守備も安定しています。
昨シーズン不安定だった両サイドバックが安定したことが、今シーズンの好調の要因の一つです。
センターバック
センターバックを見ていきましょう。
まずはヴァルデマール・アントン。まだ21歳で期待の若手ですね。ハノーファーの下部組織出身の選手で、昨シーズンにレギュラーの座に定着しました。
夏には強豪クラブへの移籍も噂されましたが、今シーズンは残留してくれました。しかし将来的には必ずビッグクラブへ移籍するはずです。
189cmと高さがあり、フィードも上手く、彼から相手ディフェンスラインの裏のスペースへボールを出します。アンカーのポジションやボランチで出場することもあります。
もう一人のセンターバックはセネガル代表のサリフ・サネです。彼は2013年に加入後レギュラーを掴んでいます。
195cmと高さがある上にフィジカルがあり、スピードもあります。
少し裏のスペースを疲れたり、ポジショニングなどは少し不安がありますが、それも十分カバーできる身体能力の持ち主ですね。
3バックの時はこの2人プラス、クラブ在籍6年目ブラジル人のフェリペか、昨シーズン15試合に出場したフロリアン・ヒュブナーが務めます。
レギュラーの2人に比べれると若干実力が見劣りする感はありますが、2人とも190cm以上と高さがあります。
このように、センターバックは高い選手をそろえています。
どの組み合わせも昨シーズンから何度もやっているので、連携面は非常に良いと思います。
中盤
次に中盤を見ていきましょう。
アンカーのポジションは、スイス代表のピルミン・シュヴェクラーが務めます。彼はアンカーが無いシステムの時、もしくはアントンが務める時はボランチで出場します。
運動量が豊富で、空いたスペースをしっかり埋めてくれます。またフランクフルト時代にはキャプテンを務めていたほどで、ブンデスリーガ経験も長く、リーダーとしても期待できます。
ボランチの位置には、マルヴィン・バカロルツが務めます。ブライテンライター監督とはSCパーダーボルン時代からの仲で、監督の戦術は熟知しています。
かつては攻撃的なポジションで活躍していたのですが、今ではブンデスリーガを代表する守備的ボランチとなっています。
ボランチはこの2人でほぼ決まっていますね。
しっかりと運動量が豊富でボールを奪取する能力が高い選手を揃えています。
攻撃陣
次は攻撃陣を見ていきましょう。
まず、ウイングのポジションを務めるのはフェリックス・クラウスでスピードがある選手で、両サイドどちらでも出場します。
毎試合60分ごろには交代します。それだけ激しく常にプレスを仕掛けるのです。彼の運動量はクラブに欠かせないものとなっていますよ。
サイドから中へ切り込み得点も狙いますが、決定力は正直あまり無いですね〜。しかし今後ケッチャプドッピャっとなる可能性を、十分秘めている選手だと思います。
チームのエースはマーティン・ハルニクですね。オーストリア代表で、長年シュツットガルトでプレーをしていたので、そのイメージが強いと思います。
一時はシーズンで17得点を上げたほどの決定力の持ち主。
しかしシュツットガルトの晩年から得点が取れなくなり、昨シーズンに契約満了でフリー移籍でハノーファーに加入しました。
しかしここで復活するのです。ブンデスリーガ2部ですが、17得点を上げ見事クラブを1部昇格に導きました。
そして今シーズンも現在5得点と完全に全盛期の決定力を取り戻しましたね〜。
スピードも健在で、裏を狙うハノーファーのサッカーにぴったりの選手ですね。今後もゴールを量産してくれるでしょう!
クラウスとハルニクの2人はほぼスタメン確実なのですが、もう一人の枠を多くの選手が争っているんですよね。そして、どの選手もしっかりと結果を残しています。
ニクラス・フュルクルクはセンターフォワードのポジションで出場することが多くなっています。188cmと高さがあるので、チームがその高さを活かしたいときに出場します。
得点数は少ないですが、ポストプレーやパワープレーでチームに貢献します。ウイングでもプレーをすることが出来るので、インサイドフォワードの役割を務めることもあります。
今シーズン加入したブラジル人ジョナタスも191cmと高さがあります。ブラジルだけでなく、オランダ、イタリア、ロシア、スペインと様々な国を渡り歩いた経験を持っています。
少ない出場機会ながらも現在3得点と結果をしっかり残していますね。
トーゴ代表のイーラス・ベブは非常にスピードがあり、主にウイングのポジションでプレーします。彼とハルニクが居る時のハノーファーの攻撃は非常に速くて見ていて爽快ですね!
前線からプレスを掛け、乱れたディフェンスラインの裏のスペースを攻めます。彼も現在3得点と結果を残しています。
今シーズン第11節終了時点でフォワード登録の得点は、
- ハルニク5得点
- ジョナタス3得点
- ベブ3得点
- フェルクルク2得点
と、満遍なく全員が結果を出していますねー。
高さと速さ、そして決定力を備えたフォワード陣を、色んなオプションで使いこなすのですから、ブライテンライター監督はなかなか選手マネジメントにもタケているのかもしれませんね〜。
今シーズンの目標
今シーズンは昇格一年目まだ残留だけが目標・・・だったはずですが、ここまで良い結果が出ているとクラブ側も戸惑っているのではないでしょうか!!!
しかし、あくまで世界でもトップレベルのブンデスリーガです。そう簡単には上位進出なんて出来ないはず・・・
ハノーファーは経営面はしっかりしています。なので焦って結果を出そうと、冬に大金を使って補強なんてことはしないでしょう。
今シーズンの目標はあくまで残留です。それ以上行ければラッキー程度に期待しましょう!
今シーズンの予想
僕の偏見ですが、ここまでの好調は正直想像していませんでした。
メンバーも、多くの選手がブンデスリーガで結果をだしたことがなかったり、放出されて移籍してきたのに。
スター選手は居ません。
しかし何と言ってもブライテンライター監督が素晴らしい。
選手の個性をしっかり把握して、その特徴を活かした戦術をしっかり考え、敵の弱点に合わせた選手構成をいくつも考えています。
昇格したての下位クラブだからこそ、ここまで思い切って戦えるのではないのかと思います。
そんなハノーファー、僕の予想順位は9位です!
戦力は正直ブンデスリーガでも低い方から数えたほうが間違いなく早い。でも、この監督ならここまで順位を上げてくれると思っています!
最後に
ブンデスリーガは、二部から昇格してきたクラブが以外な結果を残すことが多いんですよね。
昨シーズンのライツィヒは2位ですし、かつては1997-98年シーズンにカイザースラウテルンが昇格後すぐに優勝しています。
そういうところもJリーグと似ているなと思います。一部ビッグクラブを除いて、リーグに所属するチームの力が拮抗しているのでしょうね。
そして今シーズンはハノーファーが旋風を巻き起こす可能性は十分あります。
監督、選手、フロントも一度は挫折を味わった雑草魂溢れる人たちばかり。あとは、カイザースラウテルンを優勝に導いたバラックの様な存在が現れれば・・・
2年前の降格と同時に日本人選手は居なくなってしまいました。
しかし、いまこのクラブは今シーズン、ブンデスリーガで一番応援したくなるクラブと言っても良いかもしれません。
一度や二度の失敗でへこたれたらだめですからねー。
もちろん上手く行かないときはありますが、それでも諦めずに頑張ればきっと成功できる!
かもしれません笑
今シーズンのハノーファーはそんな気持ちにさせてくれるクラブです。
それではまた!!!
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