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ウイスキー好きなら楽しめる 村上春樹「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」

      2017/02/23

僕はお酒が大好きで、ほぼ每日何かしらのお酒を飲んでいます。

昔はビール一辺倒だったのが、やはり年齢を重ねる毎に少しずつ静かなお酒を好むようになり、最近ではウイスキーや日本酒を楽しむことが多くなりました。ようやく「酔うために飲む」お酒から「味わうために飲む」お酒に変わってきたという感じでしょうか。

そんな、お酒を(特にウイスキー)を愛するひとなら楽しめる本です。エッセイに近い本で、旅行記とも言える内容。40分くらいでサラッと読めます。

シングルモルトウイスキーが好きならうんうんと頷ける前半

この本、前半はスコットランドのアイラ島について書かれています。アイラ島といえばシングルモルトウイスキーの産地として、ウイスキー好きの間では聖地と言っていいと思います。そのアイラ島でつくられるウイスキーと、それをつくる人々について愛情たっぷりに描いていきます。

アイラ島には幾つかのウイスキー蒸留所があって、そこで個性豊かなシングルモルトウイスキーがつくられています。蒸留所毎に全然味も香りも違いますが、シングルモルトウイスキーは原料はすべて同じ。そのつくる過程で大きく味わいが変わってくるのですが、作っている人々はそれを誇りに思っていることがとても良く伝わってきます。

アイラ島は、おそらくウイスキー蒸留所以外何も無い島。それでも一度訪れてみたくなります。

シングルモルトウイスキーへの愛情の裏返しが感じられる後半

後半はアイルランドへ渡ってからのお話。

面白かったのは、後半の内容からも「本当にシングルモルトウイスキーが好きなんだな」というのがありありと伝わってくるところ。前半の愛情に満ちた描き方とは対照的に、アイリッシュウイスキーについては、軽く触れる程度の描き方にとどめています。ギネス飲んでますし。蒸留所についても「面白くない」という主旨のことを書いています。

なんにせよ、このひと本当にお酒が好きなんだな、というのはとても良く伝わってきますし、それを村上春樹の文章で読ませてくれるわけですから、シングルモルトウイスキーが好きなら、安い上にすぐ読めちゃうので一読の価値はあると思います。

作品データ

作品名: もし僕らのことばがウィスキーであったなら
著者: 村上春樹
出版: 新潮文庫

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