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30代子持ち・Web制作で独立開業|失敗しない起業準備〜決意編

      2017/02/23

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いまWeb制作関連の仕事で、サラリーマンとして働いている方々へ。毎日お疲れ様です。

平日の夕方17時過ぎ、用事で外に出たときに帰宅の途についているスーツ姿のビジネスマンを見て、「こんな世界があるのか。。。」と思った経験ありますよね。

僕も3年前までそう思っていたひとりでした。

でも今は、小さいながらもWebを中心とした広告会社を経営して、売上もこの規模の会社にしては頑張っている方だと思います。

そして家族(妻・子供ふたり)もいて、住宅ローンだって抱えてます。クルマのローンはありませんが。

独立したら世界が変わります。

もちろん、闇雲に独立を煽るようなことはしませんが、確実に世界が変わります。

そんな僕が起業時に準備したこと、準備しなくて後悔したことをお伝えします。

これからWebデザインやWeb制作の仕事で独立を考えている皆さんに、少しでも参考になればと思います。

僕の現在と過去の仕事について

先程も述べましたが、僕は現在Webを中心とした広告会社を経営しています。

前職時代は主に紙媒体のデザインと管理職だったので、技術的なことはそれほど明るくありません。

ですので、CTOとアシスタントの3人で仕事をしています。そのCTOも自分の会社を経営していて、技術面で困ったときに頼る感じですね。

現在の仕事

現在中心となる仕事は以下になります。

  • Webサイトの制作
  • Webサイトの継続的な運用
  • ブログを中心としたWebコンテンツ面でのサポート
  • 印刷物やOOHの企画・制作・施工
  • Webサービス(スマートフォンアプリ)の運営

このような仕事を、できるだけバランス良く配分して収益の安定を図っています。

過去の仕事

今でこそ、そこそこ安定した収益を上げています。しかし独立当初は受託制作系の仕事が95%ほど。売上も現在の半分以下でした。

初年度としてはそこそこ売上があったほうだと思いますが、それでもすごく不安だったのを覚えています。(もちろんいまも急な不安に襲われることはありますが、だいぶ慣れました。)

その頃は印刷系の仕事が多くて、納期に追われて深夜まで作業する毎日。盆と正月に数日休んだだけで、ほぼ休みもなかったように思います。

いまでは休日はきちんと休むようになりましたが、当時の僕は不安をかき消すようにとにかく走り続けていました。

30代妻子持ちが独立するための7つの心構え

さて僕の話はこれくらいにしておいて、独立を考えているひとに向けて贈りたい、7つの心構えを挙げていこうと思います。

これさえやっておけば大丈夫、というものがないのが独立のいいところでもあり不安な部分でもあります。

ただ、個人的には「ハラを決めておいたからこそ不安を乗り越えられた」と思うことがあるので、次に挙げる項目を「紙に書く」「Macのメモに残しておく」などして、不安になったときに見返すといいのではないでしょうか。

初年度の目標売上規模を決める

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売上ってわかりやすいし、取り敢えず目標にするといいと思っています。

特に初年度なんて自分がどのくらい稼げるのかさっぱりわからないわけで。

もちろん利益を残さないと食べていけませんので、利益で設定する方法もあるでしょう。

ただ、ホントに初年度についてはわからないことが多いと思うので、まずは「だいたい年商◯◯◯◯万円」という感じでざっくり決めるのがいいのではないでしょうか。

僕の場合は初年度の粗利で月100万を目標にしました。そこから経費などを引いたら70万くらい残るかなと考えていました。

一人会社であるうえにWeb・広告制作という業種的に、初年度にしてはまあまあな金額設定だと思います。ただ、結果的には大きく上回ることになりました。

ビジネスでも何でもそうですが、

  • 現在位置の把握
  • ゴールの設定
  • その道程の決定

という3つのプロセスを経て進めていくしかありません。

独立当初は「現在位置」が見えづらいのですが、もうこれは仮説を立てて無理やりゴール設定するしか無いでしょう。

「最低限これくらいないと食っていけないぞ」という自分の収入から逆算してもいいでしょうし、「俺は絶対このくらい売上を作れるはずだ」という目標でもいいと思います。

とにかく自分の思う売上目標を立ててみましょう。

目標の売り上げ次第で会計の方針を決める

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目標とする売上金額を決めたら、そこから会計をどうするかを決定します。

法人化するのか、個人事業主でいくのか。

また自分で会計処理をするのか、税理士さんにおまかせするのか。

もちろん法人化するのであれば税理士さんにおまかせすることになるでしょう。

たまに法人化したのに自分で会計処理をされている方がいらっしゃいますが、僕は反対ですね。

なんでもそうですが、プロは短い時間で効率的に正確に処理する能力が高いので、自分が数時間、時には10時間以上かけ行う作業を、「安い」金額で請け負ってくれます。

この場合の「安い」とは、自分が費やす時間と比べて「安い」のです。

この感覚を持つことも大切な事だと考えています。

僕の考えではありますが、個人事業主であっても会計はプロに任せたほうがいいでしょう。

そんな時間があったら本業で月に5万円の利益を出したほうがよほど生産的です。

自分のクライアントが、苦労しながら自前でWebサイトを作っていたらどう思いますか?

そんな場合にクライアントに対して感じる気持ちを自分にも当てはめるだけなのですが、それが出来ない人は本当に多いです。

ま、個人事業主であれば、1年だけは勉強のために自分で会計処理をするのも悪くないかもしれませんね。

いまは便利なクラウド会計サービスがありますしね。

僕は独立当初から法人化しました。そして、二期目に入るときに税理士さんと協議した上で「MFクラウド会計」を導入しました。

一期目は税務についてよくわからなかったので税理士さんが普段使っているJDLを使っていたのですが、Windowsでしか動かないし、かなり不便だったんですよね。

MFクラウド会計にしてからは、税理士さんも楽になるし、こちらもとても楽になりましたよ。

他にも請求書はオンライン請求サービスの「Misoca」を使うなど、ネット上の会計サービスを利用して、本業以外の時間を極力圧縮していきましょう。

オフィスを決める(家だけという状況は避ける)

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独立してすぐのころ、最も大切なのは固定費を極限までカットすることでしょう

収入が不透明である以上、固定費が大きければ大きいほど資金が減っていくスピードが早いので、その分廃業が近づきますからね。

でも、ここは固定費の圧縮だけを考えてオフィスを家にすると、確実に落とし穴にハマります。

家族がいる場合、夫(妻)であるあなたが家にいると確実に戦力として当てにされます。

「どうせ家にいるんだから買い物だけお願いできる?」と言った感じですね。

ウチの家庭は、妻があまり働きたくない人なので専業主婦をしています。

専業主婦なんだから家のことは一人できっちりやるかと思いきや、やはり僕が家にいると何かしら頼んできます。

仕事をしていても相談してきます。

これはもう「僕がそこにいるから」としか言いようが無いですね。

こうして小さな時間を取られていって、結局作業が進まずに子供たちが寝静まってからゴソゴソと仕事をしだすということになりかねません。

そもそもお客さんからの電話にも出づらいですしね。

こういった小さなストレスを解消するためには、やはり外に仕事専用のオフィスを持つべきです。

今時、安く済ませる方法はいくらでもありますからね。

それでは、安くオフィスを持つ方法を見ていきましょう。

レンタルオフィスを利用する

起業時にオフィスを持つにあたって、レンタルオフィスは有力な選択肢の一つとなるでしょう。

レンタルオフィスのいいところは、その簡易的な間仕切りによって仕切られた小さな空間ということで、賃料が安く済むことが挙げられます。

例えば東京でも、千代田区で14,000円/月〜など、通常の賃貸オフィスと比較すれば身の丈にあった賃料でオフィスを持つことができます。

後述するコワーキングスペースとの違いは、個室というところ。プライバシーが守られるので守秘義務契約が必須な案件も受注できるのが強みです。周囲の雑音も少なく、集中してビジネスに取り組むことができるでしょう。かかってきた電話にも出やすいですね。

また、多くの場合個別空調。自分の感覚で室温調整ができるのもいいところです。

コワーキングスペースを利用する

僕は現在コワーキングスペースを利用しています。

このコワーキングスペースという空間は、非常に特殊です。

まず、政令指定都市以外の地方で事業を営む場合、そもそも存在しない可能性もあります。そして存在したとしても、オフィスとしての使用に耐えない場合がほとんどでしょう。

また取引先はそのオフィス形態をまったく理解できないと思います。即ち信用低下につながります。

僕は幸い名古屋市の中心部にちかいところに住んでいるので、ちょっとググればいくつか検索でヒットします。

そして縁あってその中のひとつにお世話になっています。

コワーキングスペースとは、ひとつの空間の中で異なる事業体がそれぞれのビジネスを営んでいるというもの。

その中でコミュニケーションがあり、交流が生まれ、情報収集や協業の関係が発生するというものです。

以下Wikipediaから引用

コワーキングが行われる環境(「コワーキングスペース」と呼ばれることもある)はシェアオフィスやレンタルオフィスとは異なり、実務を行う場所が個室ではなく図書館のようなオープンスペースとなっている。また、すべてのスペースを共有したり、イベントを行ったりといった試みを通して参加者同士のコミュニティ育成を重要視する傾向が強いことも大きな違いのひとつである。
コワーキング – Wikipedi

このように、運営者がコミュニティの中心となってさまざまなイベントを催し、入居者同士の交流を促進することが大きな特徴となっています。

ただ、近年ではコワーキングスペースに個室のオフィスを併設するところも増えてきて、気密性とコミュニケーションを両立したハイブリッドな施設が増えてきています

友人のオフィスを間借りする

僕は独立前からコワーキングスペースを利用していたこともあって、独立後もそのまま利用し続けています。しかし独立した友人の何割かは、知人の会社を間借りしていました。

これが最も賢いやり方でしょうね。

ただ、僕の場合は「独立」ということにこだわっていて、誰かに頼るということを極力なくそうと思っていました。

このあたりは個人の考え方によりますよね。

パートナー(配偶者)に渡す給料を決める(あなたが主たる収入を得ている場合)

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これ結構重要なことだと思っています。

特に個人事業主で独立する人は、事業資金と個人のお金の区別をきっちりしておかないと、事業がどれくらい利益を出せているのか把握しづらいと思うんですよね。

その点、法人はわかりやすいですよね。

役員報酬は明確に決めなければいけないので、しっかりと経費として落ちていきます。払おうが払うまいが、会社の帳簿上落ちていきます。もちろん役員から会社に貸し出すという形で未払いにも出来ますが。

ということで、事業の利益を明確に算出するためにも、個人事業主の方も自分の給与を決定しましょう。

そして、もしあなたが主たる収入を得ている場合、パートナー(奥さんが多いかな)に渡す個人としての給料を約束しましょう。

僕の場合は法人ですが、最低限前職時代の給与は下回らないという約束をしました。今のところ(当たり前ですが)未払いもせず何とか事業としての利益を出せています。

事業資金が足りないときにどうするかを決める

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個人事業主だと、その事業スタイルから資金ショートというのは考えにくいかもしれません。

しかし法人の場合は普通に有りえますし、個人事業主の方でも外注パートナーと協業してプロジェクトを進めるとき、受注窓口となった場合は注意が必要です。

特にWeb制作の仕事の場合、案件が大きくなればなるほど納期が長くなって、実際に口座に入金されるまでの時間が長くなります

この間着手金等中間地点での入金をしてくれるクライアントばかりであればよいのですが、古い会社には「納品月で締めて翌月(もしくは翌々月)末払い」などの場合もあります。

その間、自分の給与と外注費、家賃、従業員がいればその給与など、多くの出費があるでしょう。

特に独立してから最初の入金までは、通常3ヶ月はかかります。

  1. 1ヶ月目:受注・作業
  2. 2ヶ月目:納品・請求
  3. 3ヶ月目末日:入金

となるわけです。これはあくまで「月末締・翌月末払」の支払サイトの場合です。

取引先の支払サイトによってはもっと延びることもあるでしょうし、手形の場合もありますよね。ちなみに僕は、支払が手形の場合は仕事自体をすべて断ってます。創業期にはリスクが高すぎます。

こういったことを考えると、事業としては黒字なのに資金がショートして事業継続が不可能になることも有りえますよね。

こういったときのリスクヘッジをどのようにしておくかというのも、独立した事業主であれば避けては通れないところです。

僕の場合はサラリーマンを辞めて独立した瞬間に法人化し、さらに政策金融公庫から事業資金を借り入れました。

借り入れた理由は、やはり支払いが先行した場合のリスクヘッジと、前職から事業を買い取ったからです。

借り入れた資金の他に、事業に使った個人のお金は登記時に入れた100万円です。

会社であれば、事業資金が足りなくなった瞬間に倒産となるわけですから、やはり借入だとしてもある程度の現金を口座に持っておくことは重要な事です。

逆に言えば、赤字だろうがなんだろうが、口座に現金があれば事業は継続できるわけですね。

銀行などの金融機関からの評価を気にしないのであれば、赤字決算は事業体として特に悪いことだとは思いません。

仕事の上での優先順位を決める

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事業を営んでいると、「この仕事を請けるかどうか決めなければならない」というときがあります。

例えば以下のような状況です。

  • 信頼してくれているお客様が困った末に特急案件を持ち込まれた
  • 依頼された仕事の報酬が少ないのに、売上が欲しい状況
  • 長期的プロジェクトで資金ショートのリスクが高い
  • 仕事としては全く魅力的でない(つらい)上に実績にもしづらいけれど、“割のいい”仕事の打診が来た

他にもまだまだたくさんあるかと思いますが、こういったときにどのような態度で臨むかを、ある程度決めておいたほうがいいでしょう。

僕の場合は1年目は「どんな仕事でも依頼された仕事はすべて請ける」と決めていました。

もちろん収入面の不安があったのは間違いのない事実です。

しかし、1年目はとにかく盲目的にやろうと決めていました。そして1周して二期目が始まれば何かしら見えてくるものがあるだろうと思ったのです。

そして実際に二期目に入る頃には、所謂「受託仕事」では競争優位性が薄いと感じ、売上の半分を他事業に移すという目標を立てました。

三期目の現在も実行中でまだ達成できていませんが、徐々に近づいています。

こうして自分の仕事上でのスタンスを決めて、他の事業で収入を得ると、仕事を「請ける・請けない」の基準が定まります。

その結果、やりたくない仕事は断ることができるし、やりたい仕事は利益度外視で関わることができるのです。

実際に僕は現在、まったく報酬が発生していないプロジェクトに関わらせてもらっていますが、これは将来的な信用という資産づくりのための動きです。

こういった投資的動きをするためにも、安くて時間を奪う仕事というのはできるだけ排除していき、ストレスがなく高単価で時間の余裕のある仕事を多くする必要があるのです。

どうなったら撤退(再就職)するかを決める

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さて最後に、できるだけ避けたいことですが「事業をたたむ」という、撤退の基準について書いていきます。

もしあなたの事業がうまく行かなかった場合、その事業をどうするか決定しなければなりません。

個人的には、キャッシュフロー上仕方のない一時的な場合を除いて、自己資金を投入して事業を継続するのはやめるべきだと思っています。その状況になったら再就職しようと決めています。

時間や場所はさておき、お金に関してだけは、事業は事業でありプライベートとは切り離すべきだと思っているからです。

これを曖昧にしてしまうと、事業の利益に対して甘いところが出てしまいますし、そもそも事業として成り立っていないものは世の中から必要とされていないと考えたほうが良いでしょう。

ただ、金融機関からの借入についてはこの限りでは無いと思います。

もちろん自己資金ですべて回せるのであればそれに越したことはありませんが、先程の書いたとおり「融資は悪」ということではなくて、上手に使うべきだと思うんですよね。

まとめ

Web制作だけでなく、広告の業界にいると残業が多かったり給与などの労働条件があまり良くないことが多いです。

やはりクライアントからの要求には応えなければいけませんし、納期も守らなければいけませんので、仕方のない部分もあるかもしれません。

そんな状況を打破するひとつの方法として、独立というものがあります。

もちろん向いていない人が独立すると、非常に苦労することも多いです。しかし、会社員時代と比べれば金銭的にも時間的にも余裕があります。

何より「自分で仕事を選べる」「やりたくない仕事は断れる」という事実は、非常に大きいものがあります。

また、「本音ではやりたくないけれど、お金のためにやっておくか」という判断も“自分で”下せるわけです。

この納得感を一度味わったら、もう会社員には戻れないという人は多いです。

もし独立したいという気持ちがあるのであれば、上で挙げたことを思い出してみてください。

きっと少しは役に立つと思いますよ。


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