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本田圭佑のミランでの役割に学ぶ。水を飲む人と水を運ぶ人

      2017/02/23

HondaMilan
画像はWikipediaから

本田圭佑の活躍で改めて思い知ったこと、それは人にはそれぞれ適性があるということ。そしてそれは人が決めることじゃないということ。僕が本田啓介選手の最近の活躍を見ていて、自分の人生や生活と比較してちょっと思うことがあったので書いています。

サッカー選手には大きく分けて「水を飲む人」と「水を運ぶ人」の2つのタイプがいる。

僕はサッカー部でも何でもないんですけど、サッカーが大好きでヨーロッパのものも、Jリーグもチャンスがあれば中継を見ています。もちろん日本代表の試合は、テストマッチ以外はほとんど見ます。

そうすると分かってないなりにも色々と知識がついてきて、まあ軽く薀蓄的なことも話しだしたりしちゃいます。ニワカです。はい。

で、以前の日本代表監督であるオシム氏の語録に「水を運ぶ人」という表現が出てきます。

水を飲むひとに届けるために、水を運ぶ人がいる。しかしその水を運ぶ人がいなければ、誰も水を飲めない。

だからどちらも大切だし、それはそれぞれ役割の違いというだけで、どちらが重要ということもないと思います。

いまの日本代表で言えば、香川真司や宇佐美貴史は水を飲む人、山口蛍は水を運ぶ人でしょう。本田圭佑も飲む側だと思います。代表においては。

僕ら世代で言えば、水を飲む人の代表は元ブラジル代表のロナウドですかね。そして水を運ぶ人といえば、やっぱりマケレレ。

あの銀河系と呼ばれたレアル・マドリーにおいて、一部のファンの間ではマケレレが一番重要だという認識があったものです。

一般社会でも「水を飲む人」と「水を運ぶ人」がいる

この「水を飲む人」と「水を運ぶ人」って、僕は最近一般社会にもそのまま当てはまるなあと思うようになりました。

僕の最近の考え方に『自分にはオモシロ成分ないから、そこは任せる。でも実務でめんどくさいことは引き受ける」というものがあります。

僕の周囲にはすごいアイデアを思いついて、それを実行しちゃうひとたちが何人かいるんですよ。

で、こういう人たちと関わりながら仕事をしていると、正直「こいつら勝手だなあ。。。」って思うこともたくさんあるんですよね。まず基本的に連絡が取れなかったり。

でも、彼らが生み出す価値っていうのは、僕には生み出せないと痛感させられることが本当に多いんです。

そこで、先ほどの『自分にはオモシロ成分〜」という考え方になっていきます。

これって別に卑屈になっているんじゃないんです。僕には僕の得意分野があるし、彼らには彼らの苦手分野がある。

例えば、打合せに出てもそれほど面白いアイデアを出せないと思ったら、とにかく場を盛り上げることに徹する。こうすることで「水を飲む人」のアイデアがポンポン出てくる状況をつくる。

例えば、思いつきでどんどんアイデアをぶつけてくる人に対して、一回すべてを飲み込んで咀嚼して現実的なスケジュール感と予算感を整理して提示して、判断材料をつくる。

例えば、突飛なアイデアに振り回される協力業者さんの窓口になって、交通整理をしてあげる。

このように、「水を運ぶ人」にもやはり役割はあるし、お互いの得手不得手を補い合いながらうまくビジネスを回していくことが楽しいんですよね。そうすることで自分の存在価値を感じられて、ビジネスも充実していくと思うんです。

本田圭佑のすごいところは周囲に合わせて役割を変えられるところ

そんな日本代表や今までの所属クラブでは圧倒的に「水を飲む人」である本田圭佑ですが、実はガンバユースに所属していた頃はプロになれず、星稜高校に進学します。ここで大きな挫折を味わったはずです。

しかし、努力を重ね続けた本田圭佑は、グランパス→VVVフェンロ(オランダ)→CSKAモスクワ(ロシア)と順調にキャリアを重ねていき、それぞれのチームで中心選手として君臨します。

そして遂に、最近は名声に陰りが出だしたとはいえ、まだまだ世界が認めるビッグクラブであるACミランに入団します。そしてなんと背番号は栄光の10番。これには当時相当盛り上がったのを覚えています。

しかし今まで中心選手として『水を飲むひと」だった本田が、各国の代表が一堂に会するACミランにおいて、特別な存在ではなくなってしまいます。

本田啓介という選手は、これといって身体的な特徴のある選手ではないんですよね。足は標準以下に遅い。背が高いわけではない。滅茶苦茶ゴツいわけでもない。もちろんキープ力はあるんですけど、ひとりで打開できる能力は持ち合わせていないわけです。ACミランという高いレベルにおいては。

そんな本田圭佑は、しばらく好不調を経験した後、「やはり俺はこの役割だ」というのを見つけます。

それが「水を運ぶ人」だったのです。あの主張の強い本田圭佑が。

このマインドの切替、相当に見習うべきところがあります。

彼にとってのプライドは「水を飲む人」でいつづけることではなく、どっちでもいいから中心選手でいつづけることなのでしょう。

「本田がいるから勝てる」と言わせる男。

そして実際にいま、ACミランには無くてはならない選手に生まれ変わりました。

献身的な守備と標準以上のボールキープ。足は早くないけれど、卓越した戦術眼と仲間をうまく使う視野の広さ。

こういったものを活かして、本田は再度輝きを取り戻したのです。選手としてのスタイルを大きく変えて。

実は僕も、会社員時代は社長から数えて3人目の地位でしたので、いわゆる水を飲む人でした。

しかし独立して、事業主同士で仕事を回すようになったら、周りに水を飲むべき人が沢山いました。

で、僕も自分の役割を変えたのです。周囲に合わせて。だってそうしないと自分の存在価値が無いに等しかったから。

決して地道にコツコツやるタイプではないんですけど、さらにできない人たちがたくさんいる世界に行くと、この僕でも水を運ぶ人として評価され、事あるごとに交通整理の役割で呼んでいただくことができるんです。もちろん対価をもらって。

そして結構儲かってます。

まとめ

人にはそれぞれの環境で、演じるべき役割があるように思います。

環境に合わせて演じ分けられないと、通用しなかった時に立ち直れないですよね。

自分は演じ分ける必要のない人間か、それともその必要がある人間なのか。

本田圭佑という不屈の男の復活劇を見ていて、そんな事を考えたのでした。


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