テデスコ率いるシャルケ04 2017-18シーズンの展望と順位予想
昨シーズンのシャルケ04は、リーグ10位と不本意な成績に終わりました。
今季は8シーズンぶりにヨーロッパの舞台に出ることが出来ないシャルケ04。主力選手の放出も多く、かと言って有名な選手の獲得はありませ。
かなり厳しいチーム状況となっています。
それでも、今シーズンは新しく若い指揮官ドメニコ・テデスコ監督が指揮を取り、安定した戦いが出来ていますねー。第9節終了時点で5位と、まずまずのスタートを切ることが出来たのです。
実はこのシャルケというクラブは、いち早く日本語のホームページを作っていたり、日本向けにTwitterなどで情報発信をしているなど、日本向けのコンテンツも豊富。
そして昨シーズンまで日本代表の人気選手・内田篤人が長く在籍していたことで、日本人にも親しみのあるクラブとなっていますね。
この記事では日本にもサポーターが多いこのクラブの、今シーズンの戦いを占いたいと思います。
若いくて有能!ドメニコ・テデスコ監督
今シーズンより監督を務めるのは、1985年9月12日イタリア生まれのドイツ人で、弱冠32歳のドメニコ・テデスコ監督。
シャルケほどのビッククラブがなんでこんな若い監督を採用しているかって?
それはもちろん彼が優秀な監督だからですよ。
テデスコ監督は選手としてのキャリアはほとんどないですね。
そして指導者としてのキャリアは2008年、なんと23歳から開始しています。
まずはシュッツトガルトU17のコーチを経験した後ホッフェンハイムU19の監督に就任。
そして2017年3月、ブンデスリーガ2部で最下位に低迷していたFCエルツゲビルゲ・アウエの監督に就任します。
彼が就任後、チームは生まれ変わります。11試合で6勝2分け3敗と、最終的には14位と順位を上げ、見事クラブを残留に導きます。
そして、昨シーズン低迷したシャルケ04は、2部最下位に低迷したチームを復活させた手腕を評価して、テデスコを引き抜いたのです。
しかし、その実績だけが引き抜き理由ではないんですよねー。
彼は非常に頭脳明晰。実際に過去最高の成績で、プロ指導者ライセンスを取得したほどの頭脳の持ち主なんです。さらにビジネス学の学士と、イノベーションマネジメントの修士を取得しています。
選手だけでなく、監督についても若手育成に力を入れているブンデスリーガでは、年齢や選手時代の実績はどんどん関係なくなっていますね。
選手としてのキャリアが無くても、しっかりと勉強したらコーチになることが出来、そこからキャリアを積んでいけば、どんなに若くても1部リーグの監督になれるのです。
僕らも、いまから勉強したら間に合うかもしれません。。。(汗)
守備重視!シャルケの戦術
今シーズンのシャルケのシステムは3-5-2もしくは3-6-1のシステムです。
3バックですが、守備の時は片方のウイングバックがディフェンスラインまで下がり、4バックの様な形になっています。非常に計算されているシステムです。
ディフェンス時にはしっかりと多くの人数が戻ります。どちらかと言えばラインは低めです。
しかし、前線の選手もしっかりとプレスをかけています。ちゃんとチームに決まり事を植え付けているようです。
守備は硬いのですが、攻撃力は少し物足りなさを感じますね。サイドから起点を作り、そこから中、もしくは逆サイドへの展開を狙っているのですが、後ろから上がってくる人数がそれほど多くないんですよね。
しかし、セットプレーに関してはよく練習されているように見えます。守備をしっかり固めて、少ないチャンスを確実に決める。
昨シーズン2部下位のチームを務めていたテデスコ監督らしいサッカーだと思います。
戦力ダウン・・・夏の移籍市場
冒頭でも書きましたが、昨シーズンシャルケは10位。長年キープしていたヨーロッパのカップ戦出場を逃してしまいます。
今夏の移籍市場では、やはりその影響を大きく受けてしまいました。多くの主力選手が抜けたにも関わらず、補強の方は最低限にとどまりました。
主な放出選手
まずはボスニア代表の左サイドバックのセアド・コラシナツです。シャルケのユース育ちでレギュラーポジションを掴んでいた彼は、アーセナルへなんと移籍金無しのフリー移籍で放出となってしまいます。とても勿体ない・・・
アーセナルでは左サイトのレギュラーとして大活躍していますね。。。
もう一人の左サイドバック、元ドイツ代表のデニス・アオゴもフリー移籍でシュッツトガルトへ移籍します。激しいレギュラー争いをしていた二人のサイドバックを同時に失うということになったのです。
そしてチームのキャプテンで、ドイツ代表DFのベネディクト・ヘーヴェデスが買い取り権利付きのレンタル移籍でユベントスへ引き抜かれてしまいます。現在怪我で戦列を離れおり、まだ出場機会がないのでもしかしたら来シーズンは帰ってくる可能性もありますが、先行きは不透明ですね。
中盤のヨハネス・ガイスがセビージャに、カメルーン代表のチュポ=モティングがストークシティへ移籍します。
さらに、元オランダ代表のヤン・フンテラールはアヤックスへ移籍となってしまいます。
昨シーズンは結果は残せなかったものの、長年シャルケのエースとして君臨していましたよね。
フンテラールはオランダ代表で76試合出場42得点、ブンデスリーガでも2011/12シーズンで29得点を上げて、得点王に輝いています。彼はいままで、チームにとって最も欠かせない存在だったのです。彼の後を担う存在が居ないことが、チームにとっての一番の不安材料となっています。
主な獲得選手
ポルティボ・ラコルーニャからセンターバックのインスーアを、フランクルルトから左サイドバックのバスティアン・オチプカ。
フリーで抜けた左サイドバックとセンターバックの穴を埋めます。
中盤はフランスのナントからU20フランス代表のアミーヌ・アリを獲得。
そして昨シーズンはトッテナムからレンタルで加入していた、アルジェリア代表のナビル・ベンタレブの残留に成功します。
シャルケと内田篤人
上で書いたように、シャルケは今シーズン長年チームを支えてくれた選手たちを放出しました。
そして、その中には日本代表の内田篤人の名前もあったのです。
2010年に鹿島アントラーズから移籍してきた内田篤人は、すぐにシャルケのレギュラーに定着します。
いまでは何人もの選手が活躍していますが、当時はドルトムントの香川とシャルケの内田があのブンデスリーガで「いきなりレギュラーの座を掴むなんて!」と本当に興奮しましたねー。
内田の加入もあって、シャルケはブンデスリーガでいち早く日本人に向けたサービスを開始します。日本語版のホームページを作ったり、日本語の公式ツィッターを始めたり、オンラインショップも始めます。
ネットだけではなく、日本人向けのツアーを組んだり、日本でサッカー教室を開いたり、どの海外のクラブよりも日本に目を向けていたのです。内田を広告塔に置くことで、シャルケと日本との関係はより親密になっていきます。
今では多くの選手が在籍して、ブンデスリーガがこんなにも身近になりました。
それも内田篤人がシャルケに在籍してくれたからだと思います。内田篤人はドイツと日本の架け橋の存在になってくれたのです。
しかし、度重なる怪我で、試合に出場する機会がなくなり、今シーズンついにウニオン・ベルリンに移籍してしまいます。
内田が怪我をしている時には、フンテラールなどのスター選手が日本語で応援メッセージを送っています。
また、サポーターからのウッシーコールは震えました。
退団セレモニーが催されたことからも、内田が愛されていたことが分かりますよね。
昨夜の #シャルケ×シュトゥットガルト開始前に7年間在籍し、今夏ウニオン・ベルリンへと移籍した #内田篤人 の退団セレモニーが開催されました。#ブンデスリーガ を観るなら #DAZN で。@s04_jp@atsuto_mobile#ウッチー7年間ありがとう #S04 pic.twitter.com/qwidX9Ohzh
— DAZN ダ・ゾーン (@DAZN_JPN) 2017年9月10日
シャルケに内田が居ないことは寂しいけど、もう一度復活して、ウニオン・ベルリンでのサイドを駆け上がってほしいものです。
今シーズンのメンバー
それでは今シーズンのメンバーを紹介していきましょう。
ゴールキーパー
正ゴールキーパーはラルフ・フェールマンが務めます。2011/12シーズンからシャルケに在籍しており、今シーズンからはキャプテンに任命されます。一対一に強く、196cmと身長もあるので、空中戦に強いです。
守備陣
セルビア代表のマティヤ・ナスタシッチ。セリエAやプレミアリーグでの経験もあり、守備だけで無く、フィードも上手くてピンチの時でもしっかりとパスをつなぐことが出来ます。
ティロ・ケーラーはまだ20歳ですが、昨シーズンまでキャプテンのヘーヴェデスの穴をしっかりと埋める活躍をしています。10試合終了時点で全試合出場と既に若いながらもチームの中心選手です。
元ブラジル代表のナウドは監督よりも年上の35歳です。198cmメートルと高さがあり、守備だけでなくセットプレーの際には大きな武器になります。今シーズンもレギュラーのポジションを掴んでいます。
右ウイングバックはダニエル・カリジューリが務めます。昨シーズンの1月に加入した彼は、両方のサイドでプレーをすることが出来ます。一時はイタリア代表候補にも選ばれた選手です。
左ウイングバックは今シーズンフランクフルトから獲得した、バスティアン・オツィプカが務めます。守備の能力は正直高くないですが、スピードある突破と、正確なクロスでアシストをすることが出来ます。
中盤
中盤まずは、シャルケの王様、ドイツ代表のレオン・ゴレツカです。あのバッラク2世と言われている選手で、プレースタイルも似ています。今シーズンもたくさんの移籍の噂がありましたが、チームに残留してくれました。しかし、今シーズンもチャンピオンズリーグ圏内に入ることが出来なければ、確実に移籍すると思います。
アルジェリア代表のナビル・ベンタレブは豊富な運動量で相手のスペースを埋め、ボールを持った時にはチームのテンポを作り、時には前線へ上がってゴールを決めることが出来る選手です。チームの10番を背負っています。
今シーズン、フランスのナントから移籍してきたアミーヌ・アリは20歳ながらもレギュラーのポジションを掴んでいます。将来が期待できる選手で、スピードがあり、巧みなドリブルが武器です。
攻撃陣
ウクライナ代表のイェウヘン・コノプリャーンカは、なんと3度もウクライナ年間最優秀選手に選ばれています。主に左サイドでプレーし、スピードを活かして、中へ切り込みシュートを放ちます。
マックス・マイヤーは若くから才能を期待し続けられている選手ですが、現在少し伸び悩んでいるように見えますね。
両足が使え、テクニックはあるのですが、スピードと得点能力に物足りなさを感じます。ここ最近はドイツ代表にも選ばれることも減っています。しかし彼は、もう一皮剥けることが出来れば、世界的な選手になる可能性を秘めています。
フォワードには、元アルゼンチン代表のフランコ・ディ・サント。得点数こそ少ないですが、193cmと高さと、ウイングでのプレーも可能なほどのスピードもあり、中盤でプレーすることも出来ます。
オーストリア代表のギド・ブルクシュタラーも前線ならどこでも出来る器用さを持った選手。今シーズンはレギュラーのポジションを掴んでいます。しかしもう一つ爆発力が欠けます。得点を量産できる選手では無いんですよね。
そして、昨シーズン2250万ユーロの高額な移籍金で移籍してきた、スイス代表のブレール・エンボロ。
まだ20歳と若く、実力のある選手なのですが、昨年10月に足首を複雑骨折してしまいます。今シーズンもあまり出場できていないです。非常に将来有望な若手選手なので、万全を期して復活して欲しいですね。
今シーズンの目標
シャルケの現実的な今シーズンの目標は、やはりヨーロッパの舞台に戻ることでしょう。
主力選手を何人も放出してしまいますが、何とかその穴を埋める選手を獲得することができました。移籍が噂されていた、レオン・ゴレツカの残留にも成功します。
しかし、まだまだ戦力が足りない。
特に前線で点の取れる選手が居ないんですよね。ここにエンボロが戻ってくれれば良いのですが、彼もそこまで得点を取れる選手では無く、彼が復活出来るかどうかも不透明な状況ですしね。
しかしチームは焦ってはいないように思えます。若い選手がたくさんいますし、監督も若いです。
これからの将来を見据えて、若い選手を育てて、しっかりと今後に向けた基盤を作ることも目標の一つです。
以前と違い、本当に将来を見据えたクラブ運営をしているように見えます。
Jの一部のクラブも見習って欲しいものです苦笑
今シーズンの予想
シャルケはドメニコ・テデスコ監督の手によって復活しようとしています。
しかし、まだ不安な材料は多いのも事実。
以前のような安定して強いクラブの姿に戻るのはまだもう少し先になるでしょう。
しかしこのクラブは、目先のシーズンだけを考えるのではなく、しっかりと今後を見据えて、若い選手を積極的に育成していこうという考えが見えます。
そして、そのためのドメニコ・テデスコ監督ですからねー。
僕の予想順位は期待も込めて6位。
なんだかんだ強いクラブなんですよね!
今シーズンのシャルケならギリギリでヨーロッパリーグ圏内を維持出来るかも、と期待しています。
最後に
「ドイツのクラブは健全な経営をしている」
そんな話はどこから来たのか不思議なくらい、シャルケも負債を200億円以上抱えています。
ここ数年でかなり返済しましたが、それはここ数年ヨーロッパのカップ戦に出続けることができたからなんですよね。そして、今シーズンはその連続出場が途切れてしまいました。
この負債のために、そしてヨーロッパリーグの賞金を当てにできないがために、満足の行く補強が難しくなりました。
さらに選手の放出も移籍金を上手く稼ぐことが出来ませんでした。
もし今シーズンも低迷してしまったら、来シーズンはもっと多くの選手を放出することになり、今の地位も危うく、二部降格なんてこともあります。
今シーズンが正念場なんです!!!
内田篤人は移籍してチームを去りましたが、シャルケは今もなお日本向けのサービスを続けています。
長年日本人が在籍しているハンブルガーSVも見習ってよ・・・と思っちゃいますねー。
日本人選手は居なくなってしまいましたが、日本人を大切にしてくれたシャルケ04をこれからも応援し続けたいと思います。
それでは、また!
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