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仕事をやりがいのあるものに変えるために。自分の脱コモディティ化。

      2017/02/23

普段仕事をしていて、大切にされてないなと思うことってありますよね。例えば自社の提供する商品やサービスがコモディティ化していて、価格で仕事を得ている状態の時など。要は「代わりはいくらでもいるんだぞ」という状態の時ですね。

これは仕事をしていて相当に辛い状況です。そういう僕も過去に勤めていた会社はまさしくコモディティ化されたサービスを泥臭く営業し、タイミングと営業マンのどぶ板営業で仕事を得ている状況でした。

そして、その状況を抜けだした今だからこそお伝えできることがあると思います。自分の仕事でお客さんに喜んでもらえるようになるためには、一体どうすればいいのか、僕の経験からお伝えします。

なぜお客さんに大切にされないのか

僕は前職時代にかなり特殊なお客さんに特化した会社にいました。その業界はパチンコホールさんなのですが、そりゃもう柄悪い人の巣窟です。中には紳士的な人もいますし、今でこそ大手のグループには大卒で新卒入社する人も多くいますが、昔はそんなことは全然なく、とにかく横柄なひとが多かったです。

そしてパチンコ業界といえば、儲かっているお店に限って言えばとにかくお金の出入りの額が大きいわけです。毎月の広告費が1店舗だけで1000万とか割りとザラです。そうなるとどうなるか。お客さんを選ばない、ある意味根性を持った営業系の広告会社がどんどん寄ってきますよね。

いまはかなり減っていると思いますが、パチンコホールの広告といえばまずは折込チラシです。正直他にできることがそれほどない。

チェーン店はちょっと状況が違うとはいえ、どこまで行ってもエリアビジネスな上に、新台入替の時限的な縛りもありますし、人々の射幸心を煽ってお金を使ってもらわないといけないわけで、電波媒体とはかなり相性が悪い。

また、いまは多少ホール側の意識も変わってきていると思いますが、基本的にCRMを意識したマーケティングはとても苦手です。ばらまいてガサッと回収というマインドセットがなかなか捨てられずにいる方が多いので、所謂1to1マーケティング的な発想にはなりづらいです。

そんな理由からチラシに多くの広告予算を割くパチンコホールが多いのですが、チラシってちょっと(といってもプロレベルですが)経験があれば誰でも作れますからね。確かにパチンコホールのチラシはギラギラ系が多いので、コツが要るのは確か。だけど半年も作っていれば、所謂ゆるふわ女子でもある程度出来るようになります。これは15人の部下を管理していた僕が言うのですから間違いないです。

あ、ちなみにDTPができるひとで本当に仕事がなくて困ったら、就職先としてパチンコホールの運営会社を候補に入れるといいと思います。もしタイミングが合って就職できれば結構普通に給料もらえると思います。ただ、仕事内容には絶対に満足できないと思います。僕は売上に貢献しているのが楽しかっただけで、仕事内容は人に絶対に言わなかったし、かなりストレスを貯めていました。そこからの脱却についてはまたどこかで書きます。

さて、そんな誰でもできる特殊な技術やノウハウが必要ない仕事に、売上至上主義の営業系の広告会社が寄ってくるとどうなるか。当然相見積での「くぐり合い」が始まります。あとはもう体力勝負。チラシを作って納めないと売上が立たない労働集約型サービスの典型ですから、どれだけ安く社員を雇用して、どれだけ沢山、そこそこの質のものを作り続けられるかにかかってきます。

もうそうなると悲惨なのは現場のスタッフです。根性の勝負です。ただただ数をこなす。普段から休日出勤や深夜残業、連休前の繁忙期ともなれば徹夜だって続きます。なのに「御社はクオリティが低いんだよねー。安いから使ってるんだけどさ」とか言われちゃうわけです。

しかもお客さんからみれば新聞折込チラシっていうのは相当大きな金額を払います。新聞折込手数料がB4で@2.4円くらい。印刷単価も@2~3円とかそのくらい。だいたいデザイン費はグロスで含めちゃいますが。で、仮に10万枚折り込むとそれだけで1回50〜60万円とか払うわけです。毎月の売上も1店舗でだいたい300〜600万くらいが多いのですが、そんだけ払ってるんだからそりゃ要求もしますよね。

ただ、広告会社側はギリギリまで値段下げてますから、そんなに儲からないですよね。ここにも大きな問題が潜んでいると思います。

どうすればお客さんに大切にされるのか

さてそんな状況を脱出してお客さんに大切にされる会社や人間になるにはどうしたらいいかを考えていきます。実際に僕がやったことでもありますので、同じような状況に置かれている人には、割りと参考になるのではないでしょうか。

結論から言うと、他の人や会社が提供していない価値を価値を提供すればよい、ということになってしまいます。

「そんなん出来るならもうとっくにやってるよ!」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、そんなに難しいことでは無いと思うんです。もちろん相応の努力?は必要になりますが。

この「他が提供していない価値」ですが、その言葉の前に「目の前のお客さんに対して」という言葉を付け足せばよいのです。

「目の前のお客さんに対して、他が提供していない価値」とすれば、グッとハードルが下がりますよね。

あなたのお客さんは色んな情報を欲しています。ただ、自分は本業があるし余程意欲がある人でなければ自分の業務範囲に直接結びつかないことって勉強できないと思います。そこを代わりに教えて上げる人になればいいのです。要は相手が本当は必要としているのに知らないことについて、業務レベルで詳しくなるのです。

その時、他社も似たようなところについて業務の幅を広げてくるかもしれません。しかし、それでもあなたも広げる必要があります。新しい分野の仕事であればお客さんの相場観もこなれていないので、血で血を洗う価格競争にはなりにくいですし、そもそも広げなかった会社は脱落していきます。

ビジネスなんて結局進化を止めたものが絶滅する運命にあると思います。

どうしたら大切にされる自分になれるのか

どうしたらそんな風に仕事を変えていけるのか。これについては僕が実践したことを書いていきます。僕以外のひとに当てはまることもあるでしょうし、難しいことも多いと思います。ただ、何らかの参考にはしていただけるのではないかと思います。

僕の場合、7-8年前くらいから紙媒体のデザインだけで食べていくことは不可能になるだろうと思って、独学で勉強を始めました。例えば販促全般のこと、広告全般のこと、またインターネットが好きだったのでWebのことも。

これはまったく新しいことについて詳しくなるわけではなく、自分が今やっていることをちょっとだけずらした視点で考えればいいと思います。

特に店舗の責任者でその店舗の売上に責任を持つ人(店長など)と仕事をしていたので、販促系の知識を増やしたのと、時代がスマホシフトの黎明期だったのでWebやアプリについて学んだのは本当によかったです。チラシひとつ折り込むにしてもチラシだけの提案をするのか、他のことまで考えてそのための施策を含めて提案するのかで、相手の話を聞いてくれる態度がどんどん変わっていきました。例え結局チラシを折り込むだけになってしまっても、相手の意識の中で「頼りになるやつ」化すると、本当にすべてが変わります。

人間は自分がほしい情報を持っている人には頭が上がらないのだと思います。もちろんお客様との関係ですから、明確な上流下流の関係では有りますが、その枠の中でも限りなく尊敬の念を持って接してくださるようになります。

そうなるとどうなるか。

まず価格について「他社から見積もりとったらこの金額だったんだけど、同じ金額でやってもらうことは可能?」というスタンスに変わってきます。ここでももちろん「厳しいですけど大丈夫ですよ!」という感じで答えます。そうするとさらに感謝の念を持って接してくれるようになり、「同じ金額ならまず御社に」となっていきます。

また訪問した時の扱いが変わります。食事をごちそうしてくれたり、おみやげを持たせてくれたり。もちろん相手により、年賀の品やお中元・お歳暮は欠かさずこちらから贈りますが。このあたりは礼節を持って接することも大切だと思います。

まとめ

結局「目の前のそのひと」にとって役立つ人間になることが、すべての商売の基本かなと思います。もしひとりのお客さんに信頼され、感謝されるようになれば、きっと他のお客さんにも同じことが提供でき、信頼され、感謝されるようになるでしょう。実際に僕が体験していますので、間違いないと思います。

つい数年前まで本当に仕事が面白くなくて、ストレスをためながら会社員をしていた僕ですが、いまはストレスゼロ。数は少ないですが複数のお客さんに信頼され、感謝され、お金を頂いています。

いまの仕事に関連したことの知識を増やす努力を怠らないだけで、きっとたのしくビジネスをすることができるようになると思います。


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