子供を理系に育てる方法と習い事。理系進学者アンケート実施
2017/02/23
理系脳を持った大人に育って欲しい文系の親心
僕は広告制作や企業のプロモーションなどに携わる企業を経営している、40歳男性です。
デザイン専門学校を出てからしばらくはデザイナーとして広告会社に勤務し、その後独立しました。
現在は自分の手でデザインをすることはありませんが、携わる仕事の多くは「定性的」な仕事だという認識を持っています。
このような仕事をしていると、理系脳を持ったビジネスパートナーと話をしていてもなかなか難しい場面が出てきます。
往々にして、数字の根拠を明確にしないと話が進みません。
我々デザイン畑の文系脳は、「取り敢えず一度やってみよう」的に仕事に取り組むことも多くて、そこからの改善を前提にしていたりします。
これが理系脳のプログラマーやエンジニア、Webアナリストとの話になると、一筋縄では行きませんよね。
彼らは根拠や理由を非常に大切にしていて、それでいて結果の予測も正確。
ビジネスマンとして非常に優秀なんです。
年収も少なくても800万、多い友人は1500万ほどだと言っていましたから、普通のサラリーマンと比較するとやはり高い収入を得ていると言えますよね。
どうすれば理系脳になるかわからない
年収の話もそうですが、理系脳の彼らは仕事ができるがために、時間にもシビアであり、僕のように朝から晩まで仕事漬けということもありません。
比較的時間に余裕を持って人生を送っていて、余暇も大切にしています。
できれば自分の子供には、僕のような泥臭い広告の世界で苦労すること無く、ゆったりとした人生を送って欲しいと考えています。
でも、僕は超文系脳ですから、理系に進学したひとたちの気持ちを理解することができません。
従って、どのように導いてあげたら自分の子供が理系に進学する可能性があるのか、ちょっと想像できないんです。
大学で理系に進学した方に習い事についてのアンケート実施
そこで、自分以外の意見をなるべく多く集めるために、理系進学者の方にクラウドソーシングサイトで報酬をお支払いしてアンケートを取りました。
今回のアンケートは理系進学者(在学・既卒含む)50名に、習い事についてと、理系進学について聞いてみたものです。
次の章でそのアンケートについて具体的にご紹介しますね。
アンケート項目と回答を紹介します
今回アンケートを取った項目は以下です。
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【最初に読んでください】
アンケートに答える前に必ず読んでください!
まず、ご自身の幼少期の記憶を辿ってくださいね。
理系の学部学科を専攻した(している)あなたに、主に習い事についてお聞きしていきます。
それでは質問です。
- あなたの卒業した、もしくは在籍している学部学科は何ですか?
- 幼少期に習い事には通っていましたか?
◯通っていた
◯通っていない - 2で通っていたと答えた方、その習い事は何ですか?(複数回答可)
- 2で通っていたと答えた方、その習い事は楽しかったですか?
◯楽しかった
◯辛かった - 理系進学に幼少期の習い事は影響すると思いますか?
◯影響する
◯影響しない - 理系に進学してよかったと思いますか?
◯よかった
◯後悔している - 自分に子供がいるとして、理系に進んで欲しいと思いますか?
◯思う
◯思わない
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もうちょっと詳しく突っ込んだ内容を聞こうかと思ったのですが、あまり定性的なデータが出てきても客観性にかけると思いましたので、多くを選択式としました。
結果を見た僕は、増々子供を理系に進学させたくなりましたよ。
さて、それぞれの質問の結果を見ていきましょう。
1. あなたの卒業した、もしくは在籍している学部学科は何ですか?
医学部看護学科/医療保健学部 臨床工学科/環境学部/看護学部/システム理工学部数学科/基礎工学部電子応用工学科/経営情報システム部/言語聴覚士学科/工学部・知能情報工学科/工学部応用化学科/工学部機械システム工/工学部機械工学科/工学部建築学科/工学部情報学科/工学部生産システム工学科/産業情報学科 情報処理専攻/工学部建築学科/鉱山資源学部 鉱山資源学科/制御情報工学科/生命理工学部生体分子工学科/総合理工学研究科物質電子化学専攻/電気通信学部 情報工学科/電子工学部コンピュータ科/農学部農芸化学科/薬学部製薬学科/薬学部薬学科/理学部応用化学科 化学専攻/理学部化学科/理学部情報科学科/理学部生物学科/理学部地球圏科学科/理学部物理学科/理学療法学科/理工学群応用理工学類/理工学部応用化学科/理工学部化学科/理工学部管理工学科/理工学部情報科学系学科/理工学部数学科/理工学部電子工学科/理工学部物理数理学
多彩な答えが帰ってきました。
ここでは大学名は聞かなかったのですが、書いてくださる方もいまして、国公立大学の名前も見られました。
2. 幼少期に習い事には通っていましたか?
- 通っていた:45人
- 通っていない:5人
これは圧倒的な結果となりましたね。
もちろん大学まで進ませることができる家庭環境だったことは考慮に値します。
しかしこの記事を読んでくださっている方も、習い事のお金が一切出ないというご家庭は少ないでしょう。
そういう意味では、習い事は必須と言えるかもしれません。
たまに自分ですべて解決できる天才がいますが、5人のひとはそのような人なのでしょう。素晴らしい。
3. 2で通っていたと答えた方、その習い事は何ですか?(複数回答可)
- 水泳:25名
- ピアノ:20名
- そろばん:16名
- 書道:13名
- 学習塾:9名
- 公文:7名
- 英語:6名
- 野球:4名
- バレエ:4名
- サッカー:3名
- 剣道:2名
- 空手:2名
- 絵画教室:2名
- 国語・作文:2名
- 体操:2名
- ガールスカウト:1名
- テニス:1名
- エレクトーン:1名
- 少林寺拳法:1名
複数回答可としたことで、かなり多岐に渡りました。
それにしても水泳はやはり多いですね。
うちの子も水泳には通っています。
やはり親も泳げないことの不利は非常にわかりやすいから、克服しておこうと思うのでしょう。
もちろん体力づくりや水を怖がらないという効果も期待できます。
その次はピアノです。
うちの子はピアノもやらせています。
ピアノに期待するところは、もちろん通常はピアニストにすることではありません。
音楽に苦手意識を持たないようにすることと、やはり手指と脳の鍛錬にいいのではないかということですね。
4. 2で通っていたと答えた方、その習い事は楽しかったですか?
- 楽しかった:41人
- 辛かった:9人
これは意外でした。
僕が小さいころやっていた習い事の筆頭はピアノなんですけど、先生が怖くて辛かったんです。
で、もう少し僕のような人間がいるのではないかと考えていたんですよね。
僕はこのトラウマのおかげで、子供のピアノの先生には「とにかく楽しくできるようにしてください」とわざわざ注文をつけることになりました。
人間、楽しくないことには一生懸命になれませんしね。
5. 理系進学に幼少期の習い事は影響すると思いますか?
- 影響する:23人
- 影響しない:27人
これはまた微妙な結果に。
しかし、上のアンケート結果を見ても分かるように、いま大学に進学・既卒のひとが小さかった頃は約20年以上前と考えることができます。
その頃って今ほど習い事の種類も多くない印象。
いまは理科実験教室やロボット教室なんかもかなり盛んになっていますので、状況は変わってきていると思われます。
6. 理系に進学してよかったと思いますか?
- よかった:46人
- 後悔している:4人
これは圧倒的に理系進学にメリットを感じている人が多いことを表していますね。
文系の人って「今考えれば、行けるものなら理系に行きたかった」という人、結構多いと思うんですよね。
それが理系の人にアンケートを取った結果、ここまで自分の選択に肯定的になっているのです。
これにはちょっと驚きました。
7. 自分に子供がいるとして、理系に進んで欲しいと思いますか?
- 思う:38人
- 思わない:12人
これは僕の設問がちょっと悪かったかなーと思っています。
というのも、二択だと「どちらでもいい」と思っている人は「理系に進んで欲しいとは思わない」を選択すると思いますので。。。
それにしても、理系に進学した人の大部分の方は自分の子供にも理系に進んで欲しいと考えているということですよね。
裏返すと、今の自分の生活にある程度満足していて、そのような人生を子供にも歩んで欲しいと考えているのでしょう。
アンケートに答えてくれた人の92%が理系で良かったと回答
アンケート結果を設問ごとに見てきました。
そして特筆すべき結果として、92%の人が理系でよかったと回答している点が挙げられます。
理系のひとたち、どんだけ今の生活に満足してるんだよ。いいなあ。
大学生活自体も楽しかったのだと思うのですが、就職してからの生活も 充実していて楽しいのでしょう。
仕事は研究職など理系の特性を活かした職種が多いでしょうし、少なくともこのアンケートに答えてくれた人の大部分は、理系に進学することで自分の思い描く生活に近い状況を手に入れられているのかもしれません。
僕の周囲の文系のひとたちは、割りとしんどそうな仕事をしている人が多い印象。
文系の人にアンケートを取ったらまた違った結果になる可能性はありますよね。
アンケートに答えてくれた人の76%が自分の子供も理系に進んで欲しいと回答
さらに驚いたのは、なんと76%の人が自分の子供にも理系に進んで欲しいと回答していることです。
これもすごいことですよね。
自分の子供にもそう思うということは、理系に進学したことが正解の一つだと思っているということですよね。
自分が良かったと思っているかどうかとは、またちょっと違う意味を持つと思います。
おそらく就職している人であれば、「良い収入を得られている」「仕事に満足感がある」などと感じているのでしょう。
なんにせよ、多くの人が理系に進学することで人生にアドバンテージを得られると考えていることが伺えます。
今ほど習い事が多様ではないのに、46%の人が「理系進学に習い事が影響した」と回答
僕らが子供の頃って、今ほど習い事が多様ではなかったと思います。
今回のアンケートで挙がった習い事の多くは、僕らが小さかった頃からあるものですし、変わったものは無いですよね。
それが今や理系に進学するための習い事、理科実験教室やロボット教室などがかなり人気となっているようです。
ですから、現在小学生の子供たちが理系に進学し、その後就職した頃にアンケートを取ればまた変わった結果になるかも知れません。
アンケートから読む、子供を理系に育てるために有効だと思える習い事
さて、多くの習い事の中でも、実際に習っていたのは水泳、ピアノ、そろばんが目立ちますよね。
これらをちょっと考察してみたいと思います。
水泳
水泳はウチの子供も通わせていますが、「やっぱり泳げたほうがいいだろう」という理由の他に、体力づくりと水を怖がらないようにしたいという思いがありました。
体育の時に苦手意識を持ってほしくないですからね。
4泳法のうち、バタフライ以外の3つ(クロール/背泳ぎ/平泳ぎ)をマスターしたら、子供の意思を確認して退会しようと思っています。
理系脳への影響は、正直わかりません。
ピアノ
ピアノも、習っているのが女子が多いということを考えると、かなり多い印象です。
これまたウチの子供も習わせていまして、週に一回先生に来てもらっています。
ピアノを習わせる理由としては、やはり脳への影響があるのではないかということですよね。手指をバラバラに動かしつつ音階や音の強弱を認識して、さらに譜面を読み進めていかなくてはなりませんから、脳へのいい影響があるだろうと。
ピアノは左右の手の5本の指をフルに使い、左右まったく別々の動きを行います。 これだけでも脳内のたくさんの領域を駆使していることは脳の専門家でなくとも想像するのは容易ですね。 もし、小さなお子さんがいて、幼少期に何か習い事をさせてあげられるのでしたら、 ぜひピアノを習わせてあげてください。
幼児教育にはピアノが最適【小金井市のピアノ教室】
http://www.namiko-kawamura.net/static_main/school_education.html
僕も幼少期にはピアノを習っていました。
正直先生が怖すぎて、嫌で嫌で仕方なかったのですが、それでも僕の脳に与えた影響は少なくないのでは、と考えています。
割りと「デキる子」でしたし。
5本の指を最速の速さで動かしているときの脳の働きをMRIを使って計測した研究によると、音楽訓練を受けたことの無い人に比べて、指を素早く動かせるピアニストの方が、より多くの神経細胞が活動していることがわかりました。また、ピアニストも、練習によって指をより速く動かせるようになるにつれて、活動する神経細胞の数が増えていくことも報告されています。以上をまとめますと、指を速く動かすためには、指を動かすための神経細胞がたくさん必要だと言えそうです。
第05回 身体が動く仕組み (4)指を速く動かす脳の仕組み | 脳と身体の教科書 | ピティナ・ピアノホームページ
http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/04/28_10645.html
また「譜面が読める」ということも、音楽の授業を楽しめた要因の一つで、苦手意識を持たずに済みました。
そろばん
そろばんは、王道の習い事の中でも数少ない理系に直接つながるものですよね。
その効果としては、まず暗算の能力が著しく高まることが挙げられます。
暗算の能力が高まるということは、計算の部分に費やす能力や時間を、他のところに費やせるので、結果的に勉強が楽になるということです。
数字に慣れ親しむということも大きな効果を生むでしょう。
また、こちらも脳を使いながらそろばんの珠を触ることで、脳の成長に大きな影響を与えそうです。
そろばんは右脳を多く使っているとのことです。
日本医科大学の品川教授の研究により、珠算(そろばん)式の暗算では、右脳を多く使っていることがわかったのです。
確かに、日々理論的な考え方をするには左脳の活躍が必要ですが、左脳の働きばかりに偏ると、全体的な思考のバランスが崩れてしまいます。右脳を鍛えることで生まれるメリットは多くあるのです。
そろばんで得られる脳の効果とは? 身につくことは?
http://benesse.jp/kyouiku/201502/20150212-4.html
左脳と右脳をバランスよく鍛えることが出来るのではないでしょうか。
昔はなかった習い事「ロボット教室」はどう?
さてここまではいわゆる王道の習い事を見てきました。
しかし今は理系進学のための習い事が出てきています。
代表的なものは理科実験教室とロボット教室でしょう。
今回はロボット教室に絞って調べてみました。そして気になったので息子を連れて無料体験にも行ってきましたよ。
理科実験教室についてもかなり面白そうだとは思ったのですが、まだ無料体験等に行けていないので割愛します。
友人から口コミで聞いて気になっていた
友人に「こんなのがあるみたいだよ」とロボット教室のことを聞いたのがきっかけでした。
なんとなく理系の習い事があるのは知っていたのですが、具体的に調べるところまでは行っていませんでした。
実はウチの息子は、小学生向けのプログラミング教室も少しだけ体験させたことがあるのですが、結構楽しんでやってたんですよね。
もともと僕がプログラミング教育を検討していることもあったので、ロボット教室にもすぐに反応した、という感じです。
プログラミングは、論理的思考能力を鍛えるのに最適だと思っているので、ぜひ習わせたい。
だけど、いきなりキーボードに向かわせたところで絶対に続かないのが目に見えているので、どうしたものかなと考えていたところでした。
そこに友人からロボット教室のことを聞いたわけです。どうもロボット教室はプログラミングまでつながっているらしいということもわかりました。
無料体験してきた
で、気になったのでネットを使って色々と調べた結果、面白そうだし役に立つかもしれないと考えるようになりました。
僕が調べた限りでは、全国展開しているロボット教室は2種類。
ひとつは教育産業の大手で専門学校などを運営するヒューマンアカデミー。
もうひとつは、クレファスというブランドのもの。
どちらもフランチャイズ展開していて、塾が事業の一環として開講していることが多いようです。
ただ、このふたつには大きな差があって、ヒューマンアカデミーのロボット教室が全国に850以上展開しているのに比べ、クレファスは全国でも64教室と、規模が大きく違うんですよね。
※2016年現在
こうなるとサポートの面でも差が出てしまうでしょう。
また、クレファスはレゴマインドストームというロボットキットを利用するのに比べ、ヒューマンアカデミーのロボット教室は、レゴを参考にしたオリジナル教材を利用します。
このあたりの教材づくりのノウハウは、長く教育産業で事業展開してきた強みでしょう。
またカリキュラムや教材の監修は、テレビ出演でも有名なロボットクリエイター 高橋智隆氏。
京都大学出身で、2004年には代表作「クロイノ」が米タイム誌で「最もクールな発明」に選ばれたり、ポピュラーサイエンス誌では「未来を変える33人」の一人に選ばれたこともある方です。
こういった万全の体制でロボット教室を運営していて、いまでは生徒数が10,000人を超えるそうです。
取り敢えず週末のお出かけとして無料体験がオススメ
他にも色々と調べてみたのですが、Webサイトを見ると無料で体験入学ができるとのことなので、子供との週末のお出かけとして行ってきました。
詳しくはこちらのブログ記事でレポートしています。
結果的には子供はかなり楽しんでいましたし、いい週末のお出かけになったのは間違いありません。
また、講師の方が教室の運営方針などについて熱心にしっかりと教えてくださるので、やはりネットで調べているよりも遊びがてら体験するといいと思いました。
「講師の方が熱心に教えてくださる」と書きましたが、セールスっぽい勧誘は一切ありませんでしたし、ホントに子供と遊びに行く感覚で体験するのがいいのではないでしょうか。
ウチは息子と僕の二人で行ったのですが、道中も色んな話をしながらでしたし、何だか授業参観みたいな感じで、親としても楽しかったですよ。
普段仕事が忙しくてなかなか相手をしてやれないので、帰りにファミレスでご飯を食べたりするのも含めて、よいコミュニケーションを取ることができました。
教室は、夏は涼しく冬は温かいです。汚れることもなくて子供も喜ぶ。僕ら親も普段見られない真剣な表情を見られる。
無料で体験できるわけですから、週末のお出かけ先に困っている親としては、行かない理由がないですよね。
申込は公式サイトでできますよ。
まとめ
長くなりましたが、アンケート結果から、理系に進学させるために最適な習い事を考えてみました。
僕のように、子供を理系に進学させてやりたい親御さんは多いのではないでしょうか。
やはりまずは子供の楽しむことで自然に理科や算数・数学に興味を持つような環境を整えてあげたいですよね。
そのうちに、自然に理系への道を選んでくれるのがベストです。無理やりやらせても効率悪いですしね。
習い事を含めて、親の出来ることは環境づくりまで。でもできるだけ子供の選択が間違っていない方向に向かうようにすることも、また親の大きな役目です。
子供が楽しみながら、将来が有利になるような環境づくりを心がけていきたいものです。
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