元巨人笠原が明かした現金授受は八百長・賭博?円陣って何?
2017/02/23
最近のスポーツニュースを騒がせ続けている、読売巨人軍。先日の元所属選手清原和博容疑者の逮捕、高木京介投手の野球賭博関与に続いて今度は現役選手の大半が参加した現金のやり取りがあったという報道が出てきました。
なんでこう巨人ばかり?とも思いますが、ちょっとどんな事件なのか調べてみました。
そもそも誰がリークしたのか
この事実、誰がリークしたのでしょうか。
何を隠そう、野球賭博に関与したとしてNPB(日本野球機構)から無期失格処分とされ、もう球界に戻ることができない元巨人・笠原将生氏。
失格選手とは、野球協約により日本野球機構(NPB)の構成員たる資格[5][6]を失った選手を言う。失格選手には有期、無期、及び永久の三つがあるが、このうち永久失格選手は原則として処分が永久のもので、無期失格選手となった場合も資格を失っているため、必然的に退団を余儀なくされ、長期間のブランクになるため事実上の引退となる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E9%80%80
このように現役復帰への道はほぼ閉ざされていると言っていいでしょう。
この笠原氏が、「ここまで来たら洗いざらい喋って今までの鬱憤を晴らしてやる」と思ったのかどうかはわかりませんが、突然サンケイスポーツの取材に対して語ったようです。
語った内容はどんなものだったの?
その笠原氏が語った内容は、以下の様なもの。
試合前に投手陣と野手陣が別々に組む「円陣」で激励の声出しをする係に対し、巨人が勝つと1人5千円を渡し、負けると声出し係が全員に1千円を渡していた。1回当たりのやり取りの総額は投手陣が6万円、野手陣が8万円の計14万円で、一部を除いて大半の選手が参加していたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160314-00000580-san-soci
要は、試合に勝ったらその日の声出し当番の選手にお金が入り、負けたらお金が出て行くということ。だから声出しの日は頑張れよってことですね。で、買ったら次の日も声出しの権利が貰えて、金銭が増えていく仕組みだったようです。
これ、普通に考えたらモチベーションに繋がるのか甚だ疑問ですよね。
だいたい何千万ももらっている人たちが8万円程度の金額でそれほど発奮するのかってことがあります。
それに、当番の選手ひとりが頑張って何か変わるのでしょうか。
まあプロ野球界というのは、こういう稚拙なやり取りがまかり通ってしまう、極めて特殊な世界なんだろうなとは思います。
処分はどうなるのか
さて今回リークされた情報で、巨人の選手にどのような処分がくだされるのでしょうか。
僕が思うに、このままうやむやになって特に処分も無いまましれっとシーズン・インし、みんな忘れていくと思っています。
まず、巨人が処分を科さないとしていることが挙げられます。
これは僕も結構納得できていて、もちろん現金の授受があるのは良くないことかもしれませんが、プロ野球選手にとっては少額であり、あくまでゲン担ぎの範疇だと思うからです。
そういう僕も、友人とダイエットレースと称して、期限内に目標の体重までダイエットできなかったら若干の金銭を支払うというゲームをやったことがあります。その時は全員が達成して金銭のやりとりは発生しませんでした。
これは、勝ち負けではなくて自分が目標を達成すれば支払わなくていいのでギャンブルには当たらない?と思っていますが、今回の金銭授受なんてこの類の話なんじゃないの、と考えています。
「プロ野球選手の野球賭博」とは、他者が胴元を勤める「野球の試合の結果」を賭けの対象とするものにプロ野球選手が参加すること、という認識で間違いないと思います。これが発覚すると無期から永久失格処分となります。
無期と永久の差は、過去の事例を見ると「八百長をやっていたかどうか」に絞られるようです。
そして、日本野球機構における八百長への参加の定義は「敗退行為の実行」に該当するかどうかで判断されるようです。
そもそも八百長なのか?
さて今回の現金授受は八百長なのでしょうか。
僕が思うに、これは八百長には当たらないと考えています。
というのも笠原氏の話と巨人の調査を信頼するならば、選手間で行ったゲン担ぎの一種であり、試合の勝敗によって多額の金額のやり取りがなされるような性格のものではないからです。
八百長は先にも述べたように、他者が胴元となり、その結果を操作するためにプレーする選手が直接的に「敗退行為」をすることに他ならないからです。
敗退行為とは、例えば「チャンスでわざと空振り三振をする」「ランナーが居る守備の場面でわざとエラーをする」「満塁なのにわざと四死球で相手チームに点を与える」などがあげられると思います。
正直これらには全然該当しないので、今回は八百長行為は無かったとしたいと思います。
過去の八百長事件を調べてみる
さて、過去の八百長事件を調べてみます。
一番有名なのは「黒い霧事件」でしょうね。
当時西鉄ライオンズの投手だった永易将之氏が実行・勧誘して多くの選手や関係者が逮捕・永久追放などの処分を受けた、まさしく球界の大事件だったようです。
この事件は、1960-70年代に起きた事件で、テレビや雑誌に本人が出演することで大きな話題を呼び、それが芋づる式の発覚につながっていったようです。
この事件で選手を複数永久失格処分とした西鉄ライオンズは、三年連続して最下位となり、ついには経営不振で太平洋クラブライオンズに身売りし、その後西武ライオンズへと変わってゆきます。
そう、西武ライオンズって今でこそ名門という感じがしますけど、意外と若い球団なんですよね。
そして清原の入団、巨人への移籍、巨人の選手の野球賭博と、なんだか一連の流れも興味深いところがあります。
プロ野球界は特殊な世界。許していいわけではないが品行方正を求めるのも難しいのではないか
さて、こんな感じで今回の現金授受について考えてみましたが、僕の中では、プロ野球とか大相撲はかなり危ない人達の出入りする危険な世界なのではと思っていますので、こんなことくらい別に普通じゃないの?と思ってしまいます。
彼らは高校や大学から社会経験を経ずにプロ野球界という閉ざされた超特殊な世界に身をおくわけです。
そこには、仮に一般常識が欠けていたとしても野球の腕一本で億という単位の年俸を稼ぐ人たちがゴロゴロいる世界。
そりゃ僕らのような一般庶民の感覚では理解できないことが日常的に行われていると考えるのが普通です。
でも、彼らを常識あるひとに収まってもらったら、プロ野球って面白くなくなるんじゃないかと思うんですよね。
「昔のパ・リーグはホント変な人ばかりだったけど、個性豊かで面白かった」とか良く言うじゃないですか。
そもそも、普通の会社勤めでなくプロ野球選手という成功する確率の極めて低い職業を選択している時点で、一般人の感覚とは全然ちがうものを持っていると考えるべき。
となればある程度は許容の目でみることも必要なんじゃないかなー、と思いますね。
「ほら、まあプロ野球選手だしさ」という感じで。
そろそろ、今年も熱いプロ野球が始まります。
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